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畑に行き、海に出て、山に入るところから料理に向き合う。離島で日本料理を教える「島食の寺子屋」とは?

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島根県北部に浮かぶ隠岐諸島に位置する、中ノ島・海士町。この町に1年間住み込み、和食料理人としての技術を学ぶ学校があります。

海士町観光協会が運営する、「島食の寺子屋」です。

 

朝、港に帰ってきた船のもとで、その日に獲れた魚を仕入れる。畑に足を運び、自分たちで収穫して食材を用意する。そんな日々を過ごしながら、島の四季と旬を感じ、生産者の想いまで表現する料理人を育てるのが島食の寺子屋の特徴です。

 

生産現場と料理人が繋がる場がどう実現されているのか……!海士町へ足を運んで見てきた現場をレポートします!

 

<書き手>田丸さくら

 

 

料理家が作った、料理に真剣に向き合える場所-それが「島食の寺子屋」

 

島食の寺子屋共同創設者は、都内にある人気店・丸の内一丁目『しち十二候』や銀座『ことひ』総料理長を勤める和食料理家・斎藤章雄(さいとうあきお)さん。

「効率を求めるだけでなく、五感を研ぎ澄まし、自分らしさを発揮できる料理人を育てる環境が必要だ」

料理に真剣に向き合える場所がないと考えていた中で、海士町の離島という立地でなら自然や食材を活用してこれが実現できる、と考え作られたのが島食の寺子屋です。

 

体験を、言葉と料理で表すことを学ぶ

 

生徒たちは日々生産現場に足を運び、島食を味わう中で感じた自分の気持ちや大切にしたいことを言語化。料理に落とし込んでいくことを理論的にも実践していきます。
料理の技術を学ぶだけではなく、料理人として大切な”感覚”を言葉にし、振り返り、活かす先を見据えて自分の価値観に落とし込んでいくことがこの学校の最大の特徴です。

 

 

島食の寺子屋の生活を体験してきました!

 

1日目夕方

 

海士町にフェリーで到着、まずは宿に向かいます。案内人は、島食の寺子屋を運営する海士町観光協会の恒光一将(つねみつ・かずまさ)さん

 

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恒光さんも海士町に移住し、島食の寺子屋の立ち上げから運営まで携わっています。
宿で一息付いたところで、寺子屋の生活体験スタート。さっそく島の食材で作られた懐石料理がお出迎え!まずは、「和食の食べ方」を教わりました。

 

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夕食の懐石料理。仕入れから調理までを島食の寺子屋の生徒さんたちが行っています。

 

和食の食べ方を指導してくださるのは、2020年度から島食の寺子屋で常勤講師となった鞍谷浩史(くらたに・ひろし)さん。神戸・メリケンパークオリエンタルホテルで和食を修業したのち、京都の京料理店などで料理人として活躍。今までに培った調理技術や経験をもとに、寺子屋での指導をされています。

 

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料理の盛り付けの意味から食べる順番、和食が表現することなどを、作り手(料理人)の意図も含めて教えてくださいました。生徒のみなさんからは仕入れ先である生産現場で得た知識も教えていただきます。明日の現場訪問が楽しみです!

 

 

2日目

 

寺子屋の生徒が日々行なっている、生産現場での食材調達・味や感じたことの言語化と料理を学びます。この日は参加者も料理をするということで、私たちもなにを作るか、という視点で生産現場に足を運びます。

 

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港に帰ってきてすぐに、魚の仕分けをする漁師さんたち。
この場で値段が決められ、水槽から購入します。

 

朝、港に船が帰ってくる時に合わせて仕入れへ。市場に買い付けに行くのではなく、漁師から直接買うこともここ海士町の特徴!
この日は地元の方でも初めてみるような、珍しい魚にも出会えました。

 

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この魚も買取り、試しに寺子屋で調理してみんなでいただきました。
脂身のような、未知の味でした……。

 

次は畑へ。寺子屋の授業で使う食材を仕入れさせていただいている生産者の方を回ります。

 

生産者から直接、今、畑に出来ているものを聞き、その場でかじり、味を言語化します。 “ひとつひとつの素材を確かめて料理をしてみる” という、当たり前のようで普段はできないことに挑戦する上で、自分なりに言語化することがファーストステップ。ここから料理を始めるのが島食の寺子屋流です。

 

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オーガニックで野菜を作るムラーズファームのムラー・フランクさん(右)と
取材同行したTABETAIメンバー・土井貴文(左) 。

 

移住してムラーズファームを営むフランクさんは、とても気さくな方。真剣にオーガニック栽培に向き合っており、英語混じりにその思いとチャレンジをうかがうことができました。他にも、しいたけ農家さんや畜産農家さんの現場も見学し、生産者の思いから食材に向き合います。

 

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収穫した春菊をその場で嚙り、味を言葉に。

 

最後には、調理の実践もさせていただきました。言語化した、感じたことや島の魅力をもとに、自分たちが作りたい和食を作ります。

 

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鞍谷さん(左)の指導のもと、田丸(右)も人生で初めてカワハギを捌きます!
1匹を捌くのに2時間近くかかりました……。料理人って本当にすごい。

 

何時間も掛けて作った料理を、寺子屋のみなさんといただきます。

 

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生徒のみなさんや先生と一緒に作った夕食 。
作り手の顔が浮かぶごはんは絶品です!

 

島での経験を話しつつ、生徒のみなさんの思いや先生の考え方、島暮らしについてなど様々なお話がうかがえました。

 

 

3日目

 

関わったみなさんにお礼を伝えて、帰路につきます。また来ることを約束して出発です!

 

生産現場や島の景色、料理に触れ続けることが日常になる-。
普段は意識しない、自然と食べ物の繋がりや料理人の存在について体感し、学ぶことができる時間でした。

 


 

「自分が実現したい、好きな人と好きな場所ですきなものを食べることを実現できるようになることも、”島食の寺子屋の哲学”の活かしどころ」とも寺子屋の生徒さんがおっしゃっていました。

 

島食の寺子屋では、料理の基本となる包丁の持ち方から野菜の剥き・刻み方、魚の下処理の仕方や捌き方といったことを学ぶことはもちろん、海士町の観光客や地元の方が集う「離島キッチン海士」というレストランでの料理提供実践まで実施しています。

 

最後には食材を口に入れたところから、適切な調理法を自分の力で導き出すことができる料理人になって卒業していくそうです。

 

「料理とはなにか?」「食材とはなにか?」から料理と向き合うことができる島食の寺子屋、1年間の使い方としていかがでしょうか。

 

<島食の寺子屋で学ぶ、受講者募集!まずは説明会へ>

 

オンライン個別説明会の詳細・お申し込みは島食の寺子屋公式HPにて受け付けております。

 


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