【まとめ】持続可能な農業の在り方を考える

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現在、持続可能な社会をテーマとした議論が各所でなされています。

畜産や農業、家庭などで出る廃棄物を

肥料などの形で循環利用することは、持続可能な農業になりえます。

私たち人間のからだが食べたものからできているように、野菜や果物も水や土と共に育ちます。

食べものの世界が実現する究極の持続可能性とは?

 

”農業は一人で戦うだけのものではない”

そう感じる記事を集めました。


 (1)究極の循環型農業(兵庫県神戸市 村田智洋・靖子)

このところ、カヤを頂きに行ってます。

同じ北区の茅葺屋根のお宅が新しくカヤを葺き替えたため、
仲間の農家さんと一緒に古いカヤを取りに行かせて頂いてます。

うちはミネラル分の貝化石と米ぬかぐらいしか肥料として使わず、
あとは草などの天然肥料に頼ってます。

ですので、このカヤも肥として使わせて頂きます。

究極の循環型農業。

この日は軽トラで4往復してたっぷりのカヤを仕入れることができました。

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(2015.12.9)


(2)あたりまえだった非効率を取り戻せ(神奈川県小田原市   檀上貴史)

『農業残渣 稲作編』

自然養鶏場 春夏秋冬が取り組む養鶏は『地域循環型』。
近隣の農家さんから、非可食部分の農業残渣を受け入れ、飼料・鶏舎の床材に利用しています。

ちょうど今は、稲刈りシーズンなので稲作から得られる農業残渣について♪

稲作から得られる農業残渣は下記の4つ。
① クズ米
② 米ぬか
③ 籾殻
④ 稲わら

お米の生産量は『約800万トン』。
一方、農業残渣合計の生産量は『1120万トン』(米ぬか:約80万トン、籾殻:約190万トン、稲わら:約850万トン)。

『800万』対『1120万』

米農家さんは、『可食部分であるお米』より『非可食部分である農業残渣』を多く作っているという現実

養鶏家も同じです。
卵やお肉の生産量よりも圧倒的に『鶏糞』を作っているのです
※鶏糞については別の機会に(笑)

んで、少し大げさで、極端な表現になりますが、
『米農家も養鶏家もゴミを作っている』といっても過言ではない。

だからこそ、それらの処理に生産者の『生き様』が現れる。

自然養鶏場春夏秋冬と協力米農家さんの生き様は、『地域循環』。

① 米農家さんが収穫時に発生する農業残渣を春夏秋冬に提供。
② 『クズ米』・『米ぬか』を鶏に給餌。
③ それらを食べた鶏が糞をする。
④ その糞を『もみ殻』・『稲わら』と一緒に発酵させ鶏糞堆肥を作る。
⑤ その鶏糞堆肥を米農家さんに提供。
⑥ 米農家さんは新年度の稲作を開始。
⑦ そして①に戻る♪手間とか、時間とか、費用を考えれば、とても非効率な取り組みです。

だけど、ほんの少し前まで、日本中で行なわれていた当たり前のこと。
大型化や効率化を進める段階で、農業と畜産業の関係が希薄になり、失われてしまった当たり前の取り組み

それを取り戻す。

農業と畜産業の適切な関係を再構築することは、
残渣の減量や環境の浄化、地域の健全な循環に繋がると僕たちは信じています。

それに、非効率な取り組みだけど、楽しいのです。
お互いの繁忙期に助け合ったり、収穫の喜びを分かち合える。

地域の人達との繋がり、温かい人情が地域循環の『残渣』かな♪♪
稲刈りは夫婦仲の改善にも効果的ですよ(笑)


籾殻を鶏舎に搬入したところ。

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稲わら(^^♪
鶏舎の床材の他にも、畑で防草マルチとして使うことも。

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(2015.10.13)


(3)廃棄される魚と「つながり」を失った時代(福島県相馬市  菊地将兵)

魚屋さんから魚の売れ残りとアラをもらってきました。

大野村農園では毎週一回、ニワトリの餌として地元の魚屋さんの所へ廃棄される予定の魚をもらいに行っています。餌としての魚は、市販品として魚紛(ぎょふん)としても販売されており買ってしまえば早いのですが、私たちはあえて買わずにうちで出る傷物の野菜と交換という形で魚屋さんと毎週やり取りしております。

正直に言えば市販品を買った方が断然楽ですし、ほとんどの養鶏農家さんは市販品を買っていると思います。でも、それでいいのでしょうか?

ニワトリを飼いだして間もないとき、地元の魚屋さんに出向き廃棄される魚があるかどうか不安に思いながらも尋ねました。私としてはあまりないんじゃないかと考えていたのですが、わずか1店舗の小さな魚屋さんに驚くほどの廃棄される魚があり、毎日業者さんにお金を払ってまで回収に来てもらってるんだと知らされ、こんなにも棄ててるのかと唖然としたのです。昔ならきっとこんなことはなく繋がってたんだろうなって思って、同時に今の時代はみんながバラバラなんだとすごく悲しく感じました。

魚屋さんはお金を払ってまで魚を棄て、ニワトリ農家もお金を払ってまで魚を他県から買ってくる。こんなの変だしお互いに繋がったらいいじゃないですか。そんな想いが通じて、それから毎週魚を頂きに行っています。

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写真にある魚を見てもらえばわかるように、まだまだ人間が食べれそうな旨そうな魚がたくさん見えます。私たちはこの魚を学校給食のような鍋で三時間煮込みます。煮込む道具はもちろんロケットストーブで、電気もガスも使わない。木もむやみに伐採はしない。風で折れた木の枝だけが燃料です。

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こんなものでも三時間かければグツグツ煮込め、仕上げに傷物のジャガイモなども入れて煮込めば最高のニワトリの餌が出来上がります。

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ポチッとスマホの画面を押せば簡単に餌が買えてしまう時代に、私たちはあえてこのやり方を選びました。毎日作業についてくる二歳の息子にも、いずれお父さんお母さんがしてるこの意味がわかってくれればと願っています。手間をかけるからこそ、ニワトリにも、魚にも、自然にも、今日も感謝して美味しい卵をいただきます。

(2015.8.27)


(4)自分で用意する食事は人間を成長させてくれる(福島県相馬市  菊地将兵)

今回も前回同様、先日命を頂いたニワトリ二羽のお肉は料理され、残った部位と骨たちは鶏ガラスープとしてラーメンになりました。

このラーメンはやっぱり旨い。

ダシをとり終えて残った骨たちも、わが家の畑へと還っていきます。

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無駄なものなんて何一つないし、無駄にしていい命なんて一つもない。

命が消えてからも骨は畑の肥やしとなり、次の植物の命に汲み込まれる。

 

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この植物もやがて食べられ別の命に汲み込まれる。

命は終わりがありそうで終わりがない。

先人たちがたくさんの神々を身近に感じて生きていたことも、今なら少しずつわかる気がします。

それほど自分で用意する食事は人間を成長させてくれる。

 

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(2015.12.11)


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