未曾有の大不作。ばってんね、そいけんこの仕事は面白かばい!

in 九州/佐賀/日々の仕事/漁師の仕事
                 
この記事のライター
                 
漁師 佐賀県佐賀市

今、有明海の海苔が大変ばい。「赤ぐされ病」という病気が発生し壊滅の危機になりそうよ。

例年だとこの病気が発生しても、網の管理で干出時間を長くして対策します。通常3時間前後の倍の6時間前後、空中に吊って網を乾かせば病気は死滅し、また健全な海苔が伸びてきて再度収穫ができる。ばってん、順調に冷え込むはずの気温が下がらず高水温・高気温が重なり、さらに干出中に雨が降りすぎてまったく網を乾かす事ができんかったばい。海苔の病害を防ぐ事ができんうえに、逆に病気が蔓延して海苔芽が流れてしまって収穫すらままならん状況にあるとよね。

種付けから育苗記を順調に過ごし、今年も美味しい海苔が採れたらよかなーと思いながら育ててきたとよ。それが冷凍網を入庫する時期になってからなんとなく雲行きが悪くなり、収穫前から雨ばかり。収穫が始まり乾燥機が稼働したのもわずか1週間、今現在10日間連続で休漁中ばい。

まだまだ休みも続きそう。海苔師同士の挨拶も「どのくらい残るごたんね?半分も残らんよ。もうダメばい。もうあきらめたばい。」顔をあわせればこんな感じたいね。みんな悲壮感でいっぱいよ。

ここまで収穫できんやった事は自身30年間でも初の経験で、さすがに今年ばかりは天に見放された気分やったばい。、今シーズンが始まり自分なりに前向きにまた豊作を信じて食べるタイムスに投稿していましたが、まさかここまでの被害になるとは思いもせんやったね。

ここまで酷かったらもう人の手に負えんよ。

DSC_0616

DSC_0622

と、まあこんな感じで今の現状と悲壮感漂うような愚痴を書きましたが・・

とはいっても第一次産業を生業にするということは、自然に向き合い、自然にまかせ、自然と共に生きていかんばでけんとよね。だから毎年味も違うし収穫量も違う。豊作もあれば不作もある。いくら手塩にかけて一生懸命に育ててはいてもやっぱり天気には勝てんし、自然の流れに逆らってはいかんよ。自然にはむかっても人間はぜったいに勝つことはなかとよ。

本当はその年の気候・海況・環境に人間があわせていかんばしね。有明海の海苔は不作でも全国の農・漁業の何処かで大豊作の所があるかもしれん。

今まで豊作が続いたけんあんまり調子に乗るなよと神様に試練ば与えられたかもしれん。良かったり悪かったり泣いたり笑ったり、こういう事全部含めて第一次産業ていうとかもしれんな、といまさらながら思いしらさればい!

ばってんね、そいけんこの仕事は面白かとばい!

それにまだ今漁期が終ったわけではなかし冷凍網がまだ始まってもおらん。もちろん今の網も完全に終わったわけではなかし、わずかばってん頑張って生き残った海苔もあるけん最後まであきらめんで収穫するばい。

下ばっかり向いても後悔ばっかりしても始まらんし終わった事は仕方なかとよ。もし今年がダメでもまた来年もあるけんね。最後にこれは私と有明海の海苔師の今の気持ちです。「絶対に挽回するばい、このままでは終わらんばい、リベンジばい(昔、はやった言葉ばってん)(笑)」


➤このライターのプロフィール
漁師 佐賀県佐賀市