【まとめ】「次世代へ繋ぐ」を考えさせられる記事7選

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世代を超えて引き継がれるモノ、コト、そして志。多くの生産者さんの記事から「世代を超えて繋がる」を考えさせられる記事を集めてみました。


(1)「こんな光景はうちだけが特別だったわけじゃない。」福島県相馬市・菊地将兵

つい数日前の日、予定があり二歳の息子を僕のばあちゃんに預けると、その日がばあちゃんの家の今年最後の稲刈りの日で、ひ孫にあたる息子も一緒に稲刈りに連れてってくれました。

うちでは農園という肩書きで畑を耕してはいますが、田んぼは一切やっていないため息子にはまったく見慣れない光景。
途中息子がどうしてるか気になり予定を切り上げ田んぼに様子を見に行ってみると、ばあちゃんはいるのに息子の姿が見えない。
どこに行ったのかと思ったら、なんとばあちゃんの背中におんぶされてニコニコしていました。
ばあちゃん曰く、田んぼの四隅の稲を鎌で刈る間じゅうずっと背中にへばりついてたらしい。
疲れた疲れたと言いながらも、嬉しそうな顔で笑うばあちゃんは僕には懐かしかった。

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今から20数年前、僕も同じようにばあちゃんに連れられて確かにこの田んぼにいた。
じいちゃんは古いコンバインを動かし稲を刈り、ばあちゃんは機械がうまく入れない田んぼの四隅を鎌で刈って回る。
そのばあちゃんの後ろを、手のサイズの合わない大きい軍手着けた僕が鎌を持ってついていく。
手伝いになってたのかよくわからないような手伝いを、ばあちゃんたちは毎年歓迎してくれていた。
あの頃は本当に楽しかった。
その楽しかった思い出を、僕の息子が僕の目の前で再現している。
もうそれだけで、じいちゃんにもばあちゃんにも心から感謝したい気持ちでいっぱいになった。
子供や孫を連れて稲刈りに来るような、こんな光景はうちだけが特別だったわけじゃない。
田舎ならどこの家庭でも見れたこの光景が、もうすぐ無くなりそうになっているのは僕には怖くて、すごく寂しい。
じいちゃんとばあちゃんが僕らにしてくれたように、僕も自分の息子にも、孫にもひ孫にも、代替わりしてもずっとこの光景を次の世代に見せてあげられるように、この土地を守りたいと思えた一日だった。

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(2015.10.22)


(2)「受け継がれる遺伝子、今ここに」青森県田子町・種子宏典

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祖父91歳
戦前から馬を飼育し、果樹(りんご)をメインに農業を営み、その片隅でにんにく栽培を始める。
現「種子にんにく農園」の礎を築き、今や主品目をにんにくとし、にんにく栽培農家としては3代目の私が引き継ぎます。
農家としては私は6代目となります。

その傍ら、
未だに祖父は趣味の果樹栽培に精を出す日々。
50年前に買ったサングラスを着用し、
4,50年前から一切変わらない栽培技術で、
趣味とはいえ3品種、2000房を超えるブドウを育てております。

他にも果樹だけで梨、さくらんぼ、桃、ブルーベリー、ラズベリー、プラム、梅、柿、、、、and more
野菜もきゅうり、なす、スイカ、とうもろこし、いちご、雑穀、イモ類、根菜、、and more more more,,,,
とりあえずなんでもあり。
最近ではイタリアン野菜まで。笑
もはや趣味の領域を超えている。。。。
サポートする私も結構大変なんすけど。笑

とりあえず、
祖父は炭焼き職人でもあり、
戦中の出征前に家族のためにと大量に炭を焼いたらしいが、
いまだにBBQではその炭を使っている。
祖父を尊敬するわ。

(2015.8.10)


(3)「一歩進んだ状態で次の人に渡せるように」大分県由布市・竹林諭一・千尋

北部豪雨みたいな雨になったらここは崩れるなとか堤が決壊したらこの畑は消えるな、なんていつも想像しながら暮らしてます。
改めてとんでもない職業に就いたんだなあって思いました。
かなり高い確率で災害に合うことになるはずです。対抗不可能な絶対的な力がある日突然やってくるのです。

これまでこの国の人はずーっと同じように自然にぶち壊され、再スタートする、三歩進んで二歩下がるを繰り返してきたんだなあ。すごいことだと思います。
できることなら「二歩下がる」に当たらずやり過ごせれば嬉しいけど、どうなるかわかりません。それでもきちんと一歩進んだ状態で次の人に渡せるよう頑張りたいと思います。

(2015.9.11)

※編集部より
・竹林さんは,この記事のコメントとして以下のように追記されています。
「地域特有の資源とか技術とか人とかに価値を認めることが、壊されても立ち直るためのパワーなんじゃないかと思います。地域それぞれの資源ってかならずあるはずで、まずは住んでる人間がそれを見つけてきちんと発信していくことが大事だと思います。」


(4)「時代の架け橋」熊本県・川﨑眞志男

皆さんお元氣ですか~^^。
昨日からいよいよ瓦の葺き替え工事が始まりました~。

父の遺産です。・・・手前が農協の精米所、瓦を剥ぎかかっているところには橋の桁、左は知人の建て替え時に、それぞれ譲ってもらった材料を使い大工さんならではの継ぎ足しの家です^^。
農家にはいろんな小道具から大道具まで納屋は広く必要になってきます。
管理を万全にしながらできるだけ長く使わせて頂きます。・・父に心より感謝!

(2015.10.27)


(5)「299年目の種」福島県喜多方市・清水琢

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会津の御種人蔘の種は、江戸幕府から下賜されてから今年で299年目。

会津人蔘栽培研究会で種の催芽処理をしました。鉢に種を埋めて約二ヶ月お世話をし、畑に播きます。この処理をしないと来春、芽が出ないんです。

夏に実を結んで秋にお世話して初冬に播く。雪が降る会津ではタイミングぎりぎりだけど、昔の人はこういう技術を自然の中でよく研究、習得したもんだと、改めて凄いなと思いました。

先人に感謝。自然に感謝。仲間に感謝。

(2015.8.17)


(6)青森県田子町「じいちゃんのにんにく。後日談」・宮村祐貴

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じいちゃんのにんにく。

今日、譲って頂いた方に、ただで譲ってもらうのも、悪いのでにんにく代を持って行くと。

『昔、おじいさんに、にんにく植えてみたいと言ったら20キロのにんにくをただで譲ってくれたんだよ。
だから、その分のにんにくを返さなきゃいけないと思ってたから代金は受け取れないよ。』

涙がこみ上げてきました。
やっぱり、じいちゃんは自分がにんにく農家になる事を分かってたんだなと。

作業小屋のガラス戸には、じいちゃんの手書きで。
平成何年、誰々さん、何キロ種にんにく。
とか、書いてたのを見て母に聞くと、種欲しい人には売ってたんだよって。

でも、譲った方からは、あえて、にんにく代をもらってなかった。

じいちゃんは自分に、にんにくが届くようにしてたとしか思えません。
じいちゃんのにんにくは、受け継いでいかなきゃいけないと、あらためて思いました!!

(2015.9.11)


(7)「『声』でにぎわう田んぼをふたたび」岩手県遠野市・伊勢崎克彦・まゆみ

~田んぼから失われた家族や子どもたちの「声」~

きょうから我が家でも稲刈りが始まった。息子が田んぼ中を全力で走り回りながら、合間に自分の背丈と同じくらいの稲穂の束を運んで来る姿を見て、懐かしさとうれしさで胸がいっぱいになった。

僕が小さかったころの稲刈りは、自然乾燥「はせ掛け(天日干し)」が主流で、じっちゃんも、ばっちゃんも、おとう(父)も、おかあ(母)も、子どもも、みんな家族、親戚総出の大イベントだった。 じっちゃんは、バインダー(稲を刈り取り、束ねることを同時に行う機械)で稲刈り、力持ちのおとうは“はせ”の組み立て、ばっちゃんはご飯支度、おかあは田んぼや家を往復しながら作業をこなし、子どもたちは刈り取った稲の束を運ぶことで、世代ごとに力量に合わせて役割がちゃんとあった。僕も当時子ども心にお手伝いして褒められるのが嬉しくて嬉しくて一生懸命、稲の束を運ぶのを手伝った記憶がある。とは言っても、そのほとんどの時間はバッタを捕まえたり、田んぼを駆け回って遊んでいたのが事実ではあったが、お腹をペコペコにすかせて皆で田んぼの畦に座って食べる「おやつ」は格別に美味くて一番楽しい記憶であるとともに、あっちの田んぼやこっちの田んぼから子どもたちが「わーわー、ぎゃーぎゃー」楽しく叫ぶ声が賑やかに聞こえ、至る所でこんな「風景」が「あたりまえ」にその当時はあったのだった。

そんな自分の思い出と息子の姿が作業中田んぼで重なり、僕は息子へ伝えたい大切なことの一つがなんとか叶いつつある事を、誇りに思うと同時に、現実はあっちでゴトゴト。こっちでガーガー。そこには家族や子どもたちの笑い声はない。あるのは点々と動いている大型機械だけの「殺風景」な景色。もちろん畦で家族がご飯を食べる風景などあるはずもなく、こんな貧相な風景が広がる農村社会のままでは人類の未来はないなぁと思ったりするのだ。

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(2015.10.6)


いかがでしたでしょうか。様々な想いを持ちながら日々農家さんは頑張っていらっしゃいます。

 

 


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農家, 畜産農家 福島県相馬市
農家 青森県田子町
農家 大分県由布市
農家 熊本県
農家 福島県喜多方市
農家 青森県田子町
農家 岩手県遠野市