こんな光景はうちだけが特別だったわけじゃない。

in 農家の仕事
                 
この記事のライター
                 
農家, 畜産農家 福島県相馬市

つい数日前の日、予定があり二歳の息子を僕のばあちゃんに預けると、その日がばあちゃんの家の今年最後の稲刈りの日で、ひ孫にあたる息子も一緒に稲刈りに連れてってくれました。
うちでは農園という肩書きで畑を耕してはいますが、田んぼは一切やっていないため息子にはまったく見慣れない光景。
途中息子がどうしてるか気になり予定を切り上げ田んぼに様子を見に行ってみると、ばあちゃんはいるのに息子の姿が見えない。
どこに行ったのかと思ったら、なんとばあちゃんの背中におんぶされてニコニコしていました。
ばあちゃん曰く、田んぼの四隅の稲を鎌で刈る間じゅうずっと背中にへばりついてたらしい。
疲れた疲れたと言いながらも、嬉しそうな顔で笑うばあちゃんは僕には懐かしかった。

11838867_863933160381132_4201808144636178343_o 12045343_863933323714449_9049287137184020855_o

12031483_863933453714436_2279225884935925257_o 12087111_863933773714404_5074607016708210884_o

887505_863934037047711_2402698023460094567_o

今から20数年前、僕も同じようにばあちゃんに連れられて確かにこの田んぼにいた。
じいちゃんは古いコンバインを動かし稲を刈り、ばあちゃんは機械がうまく入れない田んぼの四隅を鎌で刈って回る。
そのばあちゃんの後ろを、手のサイズの合わない大きい軍手着けた僕が鎌を持ってついていく。
手伝いになってたのかよくわからないような手伝いを、ばあちゃんたちは毎年歓迎してくれていた。
あの頃は本当に楽しかった。
その楽しかった思い出を、僕の息子が僕の目の前で再現している。
もうそれだけで、じいちゃんにもばあちゃんにも心から感謝したい気持ちでいっぱいになった。
子供や孫を連れて稲刈りに来るような、こんな光景はうちだけが特別だったわけじゃない。
田舎ならどこの家庭でも見れたこの光景が、もうすぐ無くなりそうになっているのは僕には怖くて、すごく寂しい。
じいちゃんとばあちゃんが僕らにしてくれたように、僕も自分の息子にも、孫にもひ孫にも、代替わりしてもずっとこの光景を次の世代に見せてあげられるように、この土地を守りたいと思えた一日だった。

11838867_863934393714342_3094943931417758967_o

11021303_863934240381024_1853173293786364832_o

(2015.10.22)


➤このライターのプロフィール
農家, 畜産農家 福島県相馬市