【ふるさとワーキングホリデー】島民約300人でトップシェア!300年の伝統産業を次世代に繋ぐ、利島村の挑戦

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「椿油」とは何か、知っていますか?美容品の成分に含まれていることが多く、シャンプーやスキンケア商品などで利用されています。

搾りたての椿油。

椿の木は元々、全国的にみられた植物。しかし、現在は特定の地域だけが本格的な栽培を行っています。

その中で、椿油の生産を大きく支えているのが、東京都利島村(としまむら)。利島村は、1つの島で約300人が住む小さな村ですが、その人口で、日本全体の椿油の約6割のシェアを誇っています。また、全国的な人口減少が問題となっている中、利島村は島民の約半分が移住者と言われるほど、移住が盛んな場所でもあります。

今回は、利島村にあるJA利島さんに、椿の歴史と人口減少の中で産業を絶やさずに活気ある島を保つための挑戦について、うかがいました。

椿油の生産を体験できる、受け入れ制度についてもご紹介します!

〈書き手〉宮澤香菜(みやざわかな)

“いま”が利島村のターニングポイント

現在では、あまりみられることのない椿畑ですが、昔は全国各地で防風林や食用、燃料として、とても重宝されていました。しかし、日本の景気好転や安価な代替品の出現に伴い、椿の需要は減少。椿の生産は、次々と畳まれました。

利島村では、全国的なこの流れと反対に、300年近く産業が続いています。さらには、食物用の畑が椿畑へと変わって、規模が拡大するほどに。現在では島の約80%を椿畑が占めています。

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鮮やかな椿の花が落ちた椿畑。島の人は椿で四季を感じるとのこと!

そんな、利島村の椿産業ですが、近年は生産量が減少しつつあります。その理由は、農家さんの高齢化。約40戸ある農家さんの平均年齢は既に70歳を超えています。

それでも、「自分の代で終わらせるつもりはない」と強い思いを抱き、農家の皆さんと、その思いに応えたいJA利島の担当者さんが手を取り、作業の工場化や、産業データの収集など、新しいテクノロジーを投入して、農家さんの負担軽減と生産の効率化に取り組んでいます。

効率化により「しっかり稼げる産業」にし、後継者を迎えることが出来る島になろうとしているのです。

稼げる産業になるための3つの仕掛け

後を継ぎたいと思える稼げる産業にするために、ブランディングにも注力を始めたそうです。それには、3つの計画が立てられました。

1、農林水産省の有機JAS承認獲得

利島村の椿は、基本的に農薬などは使われておらず、自然の力を生かして生産されています。

正式なオーガニックの認証となる「有機JAS認証」の手続きに今の体制では手が回らず、一部にとどまっていますが、獲得を進めることで安心安全な美容品として利用されることを目指しています。

2、グローバル・スタンダードの承認獲得

日本を飛び出して、オーガニックの世界統一基準「COSMOS(コスモス)認証」を獲得。グローバル・スタンダードの承認を受けることによって、海外でも椿油の価値を広め、この価値観を日本に逆輸入し、日本国内でのブランド力向上を目指しています。

この認証を受けたのは、化粧品となるもので日本初!オーガニックで作っている、という自分たちの認識だけでなく、世界的にも認められた瞬間です。

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利島の椿油製品。左:脱酸油。右:脱色脱臭油。

脱酸油とは、劣化を防ぐための加工のみで、本来の椿油に近いもの。脱色脱臭油は、独特の香りを抑えた、より使いやすいものになります。

3、インナーブランドの向上

島民が椿油を使い、良さを実感すること、それを発信していくことが今後のブランディングにおいて重要なこと。

「椿油の島」として日本に、そして世界に、島民が誇りを持って発信して行く姿が目に浮かびます!

アツい椿産業を、自分の経験に!

私が利島村を知ったきっかけ…それは、利島村が実施する「ふるさとワーキングホリデー」でした。ふるさとワーキングホリデーとは、国内の地方都市に一定期間滞在し、お仕事をさせていただくという制度。

利島村では、椿の実の収穫が主な作業になります。地面に落ちた、土に近い色の実を探して拾うのは、かなり大変な作業。それでも「この作業が1番楽しい!」という参加者が多いのが不思議なところ。

落ちた実を拾い、枯葉などを焼く「シタッパライ」という作業。

利島村は3時間ほどあれば徒歩で一周できる小さな島。だからこそ、住民の皆様の暖かさと、豊かな自然に囲まれ、ゆったりとした時間を過ごせる場所です。ホリデー(休日)には、その自然の中で、釣りやトレッキング、夜には満天の星を見たり。

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作業を終えた後に、夕日と海を楽しむワーホリ参加者。普段見れない綺麗な景色が心に沁みる…。
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過去のワーホリ参加者が作った看板。シェアハウスの玄関で私たちを迎えてくれました。ワーキングもホリデーも、自分のアイデアを表現出来ることも魅力の1つ。

様々な価値観を持った、島民の方との交流も人気!私も、お話しさせていただく中で、本当に利島村を大切に思っているんだなぁと感じて、私も同じ気持ちを利島村に抱きました。皆さんすごく前向きで、話してると元気をもらえます!

島への訪問は、観光というより、島の生活にお邪魔する感覚に近いように感じました。

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ワーホリ参加者とJA利島の方々。

私は、お話を聞いてから椿油に興味を持ち、取材の際に、ついにゲット!

ヘアーケアに使用していますが、髪のまとまりも良く、手についた分もベタつかず肌馴染みが良いです!また、実際に製品の原材料や過程を知っているので、安心して使用出来ますし、愛着が湧いています。これも、ワーホリの特徴かも!

自分で作業をして、生活をして、初めて本当の椿産業や利島村の良さを知ることができます。その日の景色や、住民の方の暖かさなどは、そこに行かなければ感じられないものです。知らない地域に行き、新たな発見をしたり、土地の魅力をまるごと感じたりできる「ふるさとワーキングホリデー」と、どんどん進化する「利島村の椿産業」。どちらも目が離せません!

申込・詳細

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※時期によって受け入れの可否や内容が変わるため、上記サイトより最新の情報をご確認ください。


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