日々の“食”、味わえていますか?離島で食に向き合う「島食の寺子屋」に2泊3日の短期講座登場!

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島根県北部に浮かぶ隠岐諸島に位置する、中ノ島・海士町。この町に1年間住み込み、和食料理人としての技術を学ぶ学校があります。

海士町観光協会が運営する、「島食の寺子屋」です。

朝、港に帰ってきた船のもとで、その日に獲れた魚を仕入れる。畑に足を運び、自分たちで収穫して食材を用意する。

そんな日々を過ごしながら、島の四季と旬を感じ、生産者の想いまで表現する料理人を育てるのが島食の寺子屋の特徴。

生徒でなくても、一般的な料理学校とは異なったこの個性的な教育現場に訪れ、料理・食に対する哲学を学べる【「素材と向き合う」短期集中講座】が開催されるということで、一足先に体験させていただきました!
(プラン詳細・申込は記事の最後に)

<書き手>田丸さくら

島食の寺子屋とは

島食の寺子屋共同創設者は、都内にある人気店・丸の内一丁目『しち十二候』や銀座『ことひ』総料理長を勤める和食料理家・斎藤章雄(さいとうあきお)さん。

「効率を求めるだけでなく、五感を研ぎ澄まし、自分らしさを発揮できる料理人を育てる環境が必要だ」

料理に真剣に向き合える場所がないと考えていた中で、海士町の島ならではの自然や食材を活用したらこれが実現できる、と作られたのが島食の寺子屋です。

体験を、言葉と料理で表すことを学ぶ

そんな島食の寺子屋での2泊3日の講座は、普段スーパーやコンビニで買い物をしていると見えない食の姿を理解し、自分の経験として持つことが目的です。

そのために、2日間で生産現場に足を運び、島食を味わう中で感じた自分の気持ちや大切にしたいことをワークショップで言語化。日常に帰っても忘れずに、ふとしたときに思い出すものにしていきます。

メンターは豊田 庄吾(とよたしょうご)さん。大手企業や省庁での研修講師、教育CSRのプログラム作成等をされている経験を生かし、サポートしてくださいます。

学びをサポートしてくださる、豊田さん 。

豊田さんは、海士町に魅せられた移住者の1人。全国に先駆けて行われた高校魅力化プロジェクトのキーパーソンとしても活躍し、島全体の教育プロジェクトに参加しています。

「学びをどう活かすか、行動に移すかをサポートするよう意識しています」

言葉にし、振り返り、活かす先を見据えて自分の価値観に落とし込んでいくことがこのプログラム最大の特徴です。

2泊3日で学んだことをご紹介!

1日目夕方

海士町にフェリーで到着、まずは宿に向かいます。案内人は、島食の寺子屋を運営する海士町観光協会の恒光一将(つねみつかずまさ)さん。恒光さんも海士町に移住し、島食の寺子屋の立ち上げから運営まで携わっています。

案内人の恒光さん。

宿で一息付いたろころで、プログラムのスタート。さっそく島の食材で作られた懐石料理がお出迎え!まずは、「和食の食べ方」を教わります。

夕食の懐石料理。仕入れから島食の寺子屋の生徒さんたちが行っています。

和食の食べ方を指導してくださるのは、2020年度から島食の寺子屋で常勤講師となった鞍谷浩史(くらたにひろし)さん。神戸・メリケンパークオリエンタルホテルで和食を修業したのち、京都の京料理店などで料理人として活躍。培った調理技術や経験をもとに、寺子屋での学びを実践されています。

指導される鞍谷さん 。

今回、一緒に参加した土井貴文(どいたかふみ)さん。将来飲食店を開きたいという思いから、食について学ぶこのプログラムに参加されたそうです。土井さんも私も、本格的な懐石料理をいただくことは初めて!1つ1つ、意味や食べ方を教わりながら味わいます。

懐石料理の盛り付けの意味から食べる順番、和食が表現することなどを、作り手(料理人)の意図も含めて教えてくださいました。生徒のみなさんからは仕入れ先である生産現場で得た知識も教えていただきます。明日の現場訪問が楽しみです!

2日目

寺子屋の生徒が日々行なっている、生産現場での食材調達・味や感じたことの言語化と料理を学びます。この日は参加者も料理をするということで、私たちもなにを作るか、という視点で生産現場に足を運びます。

朝、港に船が帰ってくる時に合わせて仕入れへ。市場に買い付けに行くのではなく、漁師から直接買うことも、島の特徴!

港に帰ってきてすぐに、魚の仕分けをする漁師さんたち。この場で値段が決められ、水槽から購入します。

この日は地元の方でも初めてみるような、珍しい魚にも出会えました。

次は畑へ。寺子屋の授業で使う食材を仕入れさせていただいている生産者の方を回ります。

オーガニックで野菜を作るムラーズファームのムラー・フランクさん(右)と収穫体験をする参加者の土井さん(左) 。

生産者から今、畑に出来ているものを聞き、その場でかじり、味を言語化します。“ひとつひとつの素材を確かめて料理をしてみる”という、当たり前のようで普段はできないことに挑戦するうえで、自分なりに言語化することがファーストステップ。ここから料理を始めるのが島食の寺子屋です。

移住してムラーズファームを営むフランクさんは、とても気さくな方。真剣にオーガニック栽培に向き合っており、英語混じりにその思いとチャレンジをうかがうことができました。他にも、しいたけ農家さんや畜産農家さんの現場も見学し、生産者の思いから食材に向き合います。

収穫した春菊をその場で嚙り、味を言葉に 。

メンターの豊田さんのサポートのもと、私たちも畑での経験や味の表現の言語化を学びます。

個別のサポートはもちろん、ワークショップを実施することもあります。

最後はプログラムのメインコンテンツ、調理の実践。言語化した、感じたことや島の魅力をもとに、自分たちが作りたい和食を作ります。

鞍谷さん(左)の指導のもと、人生で初めてカワハギを捌きます!1匹を捌くのに2時間近くかかりました…。

(参加者)土井さん:料理すごく楽しかった!けどもどかしかったよね。あんなに魅力的な食材が目の前にあるけど、どういう調理法があるか、何をすればいいかっていう引き出しが少ないから思ったことを形にできなくて。やってみて初めて、料理を学びたいと思えました。


何時間も掛けて作った料理を、寺子屋のみなさんや豊田さんといただきます。島での経験を話つつ、生徒のみなさんの思いや先生の考え方、島暮らしについてなど様々なお話がうかがえました。

参加者と生徒、先生で作った夕食 。生産者さんの顔が浮かぶ新鮮な食材のごはんは絶品です!

参加者・土井さん:畑を見て、牛を見て、魚も見て、最後にそれを調理して食べられるって、すごく価値ある経験でした。


3日目

関わったみなさんにお礼を伝えて、帰路につきます。また来ることを約束して出発です!

生産現場や島の景色、料理に触れ続ける2泊3日。日常にはあまり意識しない、自然と食べ物の繋がりや料理人の存在について体感し、学ぶことができる時間でした。

和食や料理人に関心がある方はもちろん、関心のない方でも日々の食事が豊かになる生産現場経験や調理体験をすることができます。

「自分が実現したい、好きな人と好きな場所ですきなものを食べることを実現できるようになることも、”島食の寺子屋の哲学”の活かしどころ」とも寺子屋の生徒さんがおっしゃっていました。

改めて「料理とはなにか?」「食材とはなにか?」に向き合うことができるこの短期講座に、みなさんも足を運んでみてはいかがでしょうか。


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島食の寺子屋インタビュー記事はこちら ※2019年1月の記事になります。


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