艶子さんのウルルン滞在記はまだまだ続く!?

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私たち日本食べるタイムスは全国各地の生産者の皆さんに、たくさんお世話になってきました。しかし、私たちの知り合いの生産者さんの中にも新型コロナウイルス感染拡大により影響を受けている方が、少なからずいるかと思います。今、生産者の皆さんの身に何が起きているのだろう?

~コロナ禍を通して気づいたこと~

今回は、山梨県上野原市「みつばち農場」の吉野艶子(よしの つやこ)さんの世界観に迫ります!

聞き手:和仁奈緒子(食べタイ編集部、鳥取大学農学部2年)

いきなりですが!艶子さんとの出逢いはインドのコルカタでした。

艶子さん:
そうそう!(笑) 初めましてなのに、農業についてゲストハウスの玄関の片隅で話し込んだよね~

艶子さんの農業の原点も海外にあったんですよね?

艶子さん:
テレビの番組で「ウルルン滞在記」が大好きで。よく観てました!そこで海外に興味を持ったんだと思います。 

〈ウルルン滞在記って?〉

                  
日本の著名人らが、海外をホームステイし、様々なことにチャレンジしていく様子をドキュメントとして放送された番組。 番組名は、「出逢ウ見ル泊まル体験(タイケン)」をとって付けられたそうだ。

農業のきっかけはタイ。 タイのきっかけはウルルン滞在紀。

「世界ウルルン滞在紀」に触発された艶子さんはタイへ 。あたり一面、農村が広がるタイで現地の人と活動を共にされた。 その中で農村の人々の「生きる豊かさ」を肌で強く感じた。

タイの農村で。毎日のように稲刈りと脱穀を行っていたという。

食べることに困っている貧しい人を救いたいと、現地に行ったものの、救われたのは私の方だった。』と艶子さんは言う。

温和でやわらかい人たち

お金がたくさんあるわけではない。
日本人の方がずっとずっと便利な暮らしを営んでいる。
それでも、タイの農村の人たちをみて、「豊かだなあ」そんな風に感じたそうだ。

タイでの経験が艶子さんの中では1番大きいのでしょうか?

艶子さん:
3.11の東日本大震災も私にとっては衝撃的で。自分を突き動かした出来事の一つですね。 日常が「非日常」になっていく光景を目の当たりにして、「本当に大事なものってなんだっけ?」と考えるようになっていきました。

その後、研修生として、スタッフとして農場で学び働き…。畑との関係を持ち続けている。

『有機農業は、生きとし生けるものが有機的につながって世界を育む木だ。』という先輩農家さんからの言葉に『これだ!』と思った艶子さん。

自分でも、そして日本で、暮らしに根差した農業を体現したい! そんな想いと、多くの経験、そしてこの先輩農家さんの言葉が今の艶子さんの農場につながってる。

タイのカレン村から日本の艶子さんの下に研修をしにきてくれた彼と。

今回はコロナ特集。

農家として、影響はありました?

艶子さん:
私は、個人のお客さんへ、直接配送してるから、正直あまり影響はなかったです。 今は、上野原市の取り組みで、キヌアの栽培をしています。他に野菜やゴマなど。 将来的には、面積を増やしていく予定です。

コロナ渦、艶子さん自身の心境は変わったりしました?

艶子さん:
より一層、「暮らしに根差した農業」をしていきたいと思うようになりました。 実際、農場では毎日試行錯誤の連続です。いつもトライ&エラーですね。(笑)

和仁:
でも、艶子さんは、それを楽しんでいらっしゃるなと感じます。
「暮らしに根差した農業」とは?

艶子さん:
日常生活の中に、「ほんもの」の食べ物を取り入れていくこと。そのための野菜つくりをしていくことです。何を食べるのか、何を選んでいくのか、コロナを通して私たちは日常の「暮らし」や自分たちの「選択」について問いかけられているような気がします。それを貫くのは決して容易ではありません。
一方で、自らの「暮らし」に目を向けてみると、いま社会の中で問題になっていることを行動に移せることがあったり、考えたりするきっかけは多くあります。そこにどれだけ意識を置くことができるのか。良い悪いという判断ではなく、何に「重き」を置いて「暮らし」ていくのか。今まさに問われていると思うのです。


コロナ禍で私自身、そしてお客さんも、私たち自身の「免疫力」の重要さを強く感じています。 私は、エネルギーいっぱいの野菜で元気モリモリです!

他にも、お客さんから、「子どもがコレおいしいって言ってた!」「旦那が野菜むっちゃ食べてる!」などなど、「お客さん」で終わるのではなくって、「家族」とも繋がれるのが嬉しいですね。

キヌアの収獲を行う艶子さん

終始笑顔で語る艶子さん。

実は筆者も、有機農家で一年間の住み込み修行中だ。 現場で強く感じるのは、「農業を生業とし、生きていくことは決して簡単なことではない。」ということ。 雨にうなされることもあれば、風に押し倒されそうになることもある。成長が不安になったり、収穫が追い付かなかったり。

常に、自然と向き合うことが問われる。

それでも、彼女が、コツコツ、たくましく土の上で根を張り続けられるのはなぜか

「本当の豊かさって何だっけ?」

学生時代に抱いた、素朴な疑問を日本で問いつづけたい。

その強い志が、今日も1人、畑の土と向き合い、挑戦する彼女の姿勢につながっている。 今回の取材を通して、感じたこと。 それは、大地の上に立っているからこそ、見えてくる「豊かさ」があるということ。 コロナが彼女の原点をよみがえらせ、今日のエネルギーにつながっていると感じた。

艶子さんのウルルン滞在紀はまだまだ続くだろう。

「みつばち農場」HP、艶子さんのブログはこちら


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