
【コロナの向こう側へ】
私たち日本食べるタイムスは全国各地の生産者の皆さんに、たくさんお世話になってきました。しかし、私たちの知り合いの生産者さんの中にも新型コロナウイルス感染拡大により影響を受けている方が、少なからずいらっしゃいます。今、生産者の皆さんの身に何が起きているのだろう?編集部員がコロナ禍の農林業のリアルに迫ります。
茨城県古河市で米やハーブを育てる秋庭サトルさんとヒロコさん。
料理人の夫サトルさんと、ハーブティーブレンダーの妻ヒロコさんは今年で就農して4年目。
今や「農家」という1つの職業では表せないほど、生産、販売、加工、食育、イベント、ケータリングなど、幅広く「食べる」に関わるお仕事をされています。
「これからは農家がヒーローになる時代が来る。自分たちで、そんな時代を作るんだ」
4年前に掲げたこの想いを実現し続けるサトルさんとヒロコさんの秋庭農園には、年間500人もの方が訪れInstagramのフォロワーも2,000人を超えています。
そんな秋庭農園はコロナ禍をどう生きているのか。気になって行ってきました。
書き手:荒井百子(食べタイ編集部/早稲田大学4年)
「こんにちは〜!」

マスク越しでも伝わる、優しい笑顔で迎えてくれたヒロコさん。
「今日は採れたてのとうもろこしがあるよ〜。1時間前に収獲したばかりだから、生でも食べられるよ」

サトルさんとヒロコさんは秋庭農園の軒下でお野菜の直売を始めていました。
販売会の看板にはこう書いてあります。

畑からとれたてすぐの美味しさを、直接、顔の見える状態でお渡ししたい。
そんな気持ちでこの場所をつくりました。
コロナの影響で、卸していた飲食店さんが休業になり、
行き場を失ってしまったハーブやお野菜もあったといいます。
しかしサトルさんとヒロコさんはこの機に、コロナのその先も見据えて、
想いを込めて育てたお野菜たちを、食べてくれる人に直接届けることを始めていたのです。
野菜を買える、だけじゃない
秋庭さんちの軒下販売会には、そのときどきに畑でとれたものが並びます。

ズッキーニ、ナス、とうもろこし、じゃがいも、そしてハーブティー。
ヒロコさんのハーブティーは、この時期なんだかザワザワしがちな心をすっと落ち着けてくれます。

販売会に来るお客さんの様子を見ていると、みなさんとっても嬉しそう。
「インスタ見て、来ました〜!」
「ずっと気になっていたんです〜!」
と、みなさん農園に着いてヒロコさんを見つけるなり、手をふり駆けよって来るような雰囲気です。
急ぎ足で来て、野菜を買っていくだけの人はいません。
野菜のおいしい食べ方、保存の仕方、なんでもない雑談など、
秋庭さんとお客さんの間に会話が飛び交っています。
「ここに来ると、野菜を買うだけじゃなくて料理の仕方まで教えてくれるからいいのよね〜」
と話しているお客さんもいました。
”農家がヒーローになる時代”
これを実現している姿が、まさにそこにありました。

しあわせのお野菜たち
私も実際に、秋庭さんちのお野菜をお家でいただいてみました。
元気もりもりのズッキーニ、ジューシーなとうもろこし、ほくほくの新じゃが、ぷちぷち美味しい健康黒米。
どれもなんだか優しさを感じて、コロナでピリピリした世の中ですが、心も体も元気になりました。
味のおいしさはもちろんのこと、そこに秋庭さんちでの思い出話も加わって、その日の食卓は本当に豊かでした。そんな秋庭さんちのお野菜、我が家ではしあわせのお野菜と呼ばれています。

秋庭さんちの軒下販売会は、季節によって並ぶものが違います。
どれも採れたて、旬で、そのとき一番おいしいものが出ます。
毎週土・日の17時〜18時半ころ、
秋庭農園(茨城県古河市大山1200-2)で行っています。
(変更の場合もあるので、最新情報はSNSでのチェックをお願いします)
「秋庭さんちのお野菜が食べたいけれど、農園までは行けない」
という方にはネットショップも!
今の時期はすっと心が落ち着くハーブティーや、ホクホク甘くて柔らかい新じゃがいもがおすすめです。

\\ 秋庭農園 //
インスタグラム▷https://www.instagram.com/akiba_noen/?hl=en
ネットショップ▷https://takecocoa.thebase.in/