東京地方でほぼ半世紀ぶりに11月に積雪を観測した週末、日中の気温が2度、小雪の舞う中で大豆の出荷準備に入りました。今回は農学館の大豆のプロフィールとともにこの半年を簡単に振り返ります。
初夏をも感じさせる好天の6月初めに種を植えた大豆、約10日ほどで発芽して徐々にマメ科植物の姿に形を変えて、リオオリンピックで湧いた夏の間は、燦々と降りそそぐ夏の太陽と澄んだ空気の中でスクスクと育ちました。
観測史上初めて東北地方に直接上陸し、不幸にも岩手県や北海道を中心に大きな被害をもたらした台風は、畑が広がるすぐ脇の森のカラマツの大木をも倒しましたが、それでも大豆は力強く成長を続けて、一部は枝豆として食卓に上った次第です。
10月下旬、木々の色づきと相前後して大豆は徐々に枯れ始め、一桁代の気温と冷たい風に吹かれて自然乾燥し、一人前の豆になりました。そんな農学館の大豆、農薬を一切使用せず、有機肥料100パーセントで育てた上に、出荷作業も昔ながらの方法です。
収穫した大豆を一旦は畑で天日干し、しばらく小屋で乾燥した後に、直接あるいは袋に入れて特注の叩き棒で叩きます。弾けた大豆のサヤやゴミを飛ばすのは、トウミと呼ばれる、風力で米や豆の殻やサヤを飛ばす機械です。トウミの後はさらに手作業での選別が加わり、本格的出荷体制に入ります。
農作業合理化・機械化の時代にこんな手間のかかることをしていると、通りがかった農家のじっちゃまばっちやまが、???てな感じで微笑んで行きます。微笑みの真意は知りようにもありませんが、これからも合理性と自然流の調和点を探っていきたいと思います。
(2016.11.28)