毎年恒例の意味深な配置の鯉のぼりが上がったGW(ゴールデンウィーク)という
名の大型連休ですが、生き物を飼う牧場にとっては関係なく、むしろ餌屋さんなど
の業者がお休みだったり、子供が家にいて余計大変だったりします。
それでもやはり、子供にはそんな事は関係なく、月並みに遊ばせてやりたいという
事で、我が家は東京から帰省した妹家族と共に連日BBQをしていました。
千歳のお肉を焼いたり、ストックしてある大晦日のスネ肉でじっくり煮込んだ
ビーフシチューを外で食べるだけなんですが、子供達も大はしゃぎで、息子の
太一のジャイアンばりのリサイタルが深夜まで続きました。
そして最終日、なんとか時間を作って計画していた事があります。
石坂牧場は伊香保温泉の入り口にあり、牧場からくっきりと水沢山が見えます。
そこに4歳の息子を自力で登らせたい!と思ったのでした。
私は群馬に嫁ぐ前はずっと静岡に住みたかったのですが、理由は気温が暖かいと
いう事と、日常に見えたただけで得した気分になる富士山が欲しかったのです。
そして住む前に富士山に登って、あの天辺まで登ったんだなぁと毎回しみじみ
思ったり、時には勇気になったりと、そんな生活を憧れていました。
現実は富士山頂で2ヶ月住み込みでバイトした後に旅を続けてこの牧場に辿り着い
たのですが(笑)
産まれてから当たり前のように存在する息子にとって富士山的な存在の水沢山を
なるべくはやく登らせてあげたいなぁ、そしたら見る度にちょっと勇気になるの
になぁと思ったのです。息子もノリノリでしたので、GW最終日は水沢山登山!
見える所には行けるし、想像できた事は実現出来るという事を教えますよ!
水沢観世音の本堂の裏側にひっそりと登山道があります。
片道2時間か、ま、大丈夫でしょ!
と思いましたが、登山道までの勾配のキツすぎる階段を見て・・・。
見える所には基本行けるが、行けない場合もあるという妥協案を今回だけは
息子に教えようかと迷いました(笑)
危険な所がないので家族向きですが勾配がエグいほど急なのが水沢山らしいが、
いや、ちょっとまって、あいつサクサク進んで行くけど、ちょっと待って!
ジッとしたり、黙っている事、寝ることが大嫌いな息子は時には猿のように手を
使いながら走るようにサクサク登っていくし、休憩をまったくしません。
すれ違う登山客に「小さいのに凄いね!何歳?へ~4歳で素晴らしい!」と常に
褒められるもんだから、エネルギー補充でまたスピードが速くなります。
基本的に上から見下ろされるように「パパ速く!休んでないで頑張って!」と
叫ばれ、登山客にも「パパさん頑張って!」と応援される始末。
おかしい!こんなはずでは!威厳が!まさに意味深な鯉のぼりの状態だわ!
ほとんどノンストップで我が家を展望できるポイントまで到達!ゼェゼェ
そして全力のヤッホータイム!そして「ママ~聞こえるか~い!」と叫ぶ。
どうだ!見えるんだから来れるんだよ!!ゼェゼェ
想像できたことはいつか実現できr…ってちょっと待て!勝手にスタスタ行くな!!
休憩しようぜ休憩!ゼェゼェ
そして、展望ポイントからしばらく歩いて、いよいよ水沢山登頂成功!
さぁ、山で食べるオニギリは最高なんだぜ!
と、勢いでアスレチックのように登ってはみたものの、4歳にとっては下山の勾配が
恐怖でしかなく、ずっと手を繋いで介護しながらでした。
精神的にも体力的にも辛くなってきたのか、下山はようやく完全に私のペースだ。
という事で、しばらくそこのベンチに寝て何もしないで上を見ろ!と指示。
焦って下向いて速く登ったって面白くないんだよ。何もしなくたって木がゆらゆら
揺れてくれるし、虫や鳥や風の音で賑やかで気持ち良くて綺麗で面白いだろ?
自分が動かなくても喋らなくても、何かをしなくても、自然の中に生きてるんだから。
息子よ大きくなると忘れたりするんだけど人間関係だけが関係の全てじゃないんだよ。
みたいな父親らしい事を言って、何とか休憩時間を確保に成功したが、がんばった
ご褒美に降りたらアイス食べようぜ!と言ったもんだから、余計スピードアップした
息子にヒィヒィ付いていくのがやっとでした(笑)
そんな今年の牧場のGWでした。
(2016.5.9)