恐怖の農業補助金。農業系の補助金を使う場合は命がけ。山口県バージョン

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農家 山口県岩国市

どうも山口県の農事組合法人YONESATAの佐多です。新規就農しながら10年以上農業してきた立場から農業系補助金について色々ありましたので記事にしたいと思います。初めに申しますと食料生産は誰かに言われてやっているのではなく自分でしたくてやっているという前提で話を進めていきます。この辺りのご理解をよろしくお願いいたします。

 

今日は恐怖の補助金について思うところ書いていきます。

 

一般的には「農業は補助金で守られていていいよね~」と感じると思いますがそういう面も確かにあります。私の両親が人生を立て直すため、新規就農をするさいの家賃補助や研修時期の研修費補助はとても助かりました。納税していただいた方々には今この文章を書いているときに涙で前が見えないぐらい感謝しています。本当にありがとうございました。

 

ただ既存の農業???(10年やっても自分が農家なのかな?)の形を守るためにある補助金いついてはどうも理解できないところがいくつかあります。最近、新規営業の農業資材屋さんの方とお話しをさせていただいた時、自分と同じ意見でしたので紹介したいと思います。

農業機械等は流行りの物に補助金が出やすいようになっているというところがあります。よく話題に上るのが支払い総額の半額を補助金で出す補助制度です。これを利用して○○メーカーは100万円の機械をメーカー小売り希望価格を200万にして農家の支払い額が100万円、補助金が100万円となってしてしまうケースです。ここまでひどくないですが補助金を出す規定で新品にしか出ないようになっており補助金を利用する場合はメーカー希望小売価格で取引することになります。このため農家にとって割高に感じてしまうことがありメリットがあるのかないのか分からない場面をたびたび目にします。時には既存の農家が補助金制度と共にメーカーに新規就農者を紹介して何かしらの特典をゲットしていたりしいている人も近くにいます。このようなことをしない販売店の方が多いので自分はそちらから購入にします。ネットなどを利用して新古品等を購入したりすれば支払い総額が安くなる場合もあります。

 

何を言いたいかというと農業系の補助金は今までの農業を続けるにはとても有益ですが新規で始めるためにはあまり適さない場合があるということです。

 

ここからが本番になります。今なぜ新規就農者に補助金が出るのか考えたことがありますか。めったにないのですが新規就農の研修生がいないと作業進まず経営が成り立たない農家、新規就農者がいないと隣の畑が荒れて自分の畑がダメになる等の理由で新規就農者に補助金が出ているのではないかと疑いたくなる場合があります。これは「オカミ」の方の発言ですが国からの助言?で新規就農者を増やさないといけないので無理やり新規就農者を増やしても仕方なかったと言われたことがあります。新規就農者の生活なんを考える余裕はないということでしょう。確かに忙しそうですし仕方ないですね。今の農業はそのぐらい荒れてます。

 

前回紹介したのですが新規就農者が農業を始める場合は農家しか農地を借りることができないので農家になりつつ農地を借るという手順を踏みます。農業委員会に計画書を提出し農家になり農業を始めるのですがお試し栽培ができないため自分が借りた土地が自分で作った営農計画書に適するか適さないかやってみないと分からないのです(新規就農した農家と言いう立場の自分から見ると無謀かなと助言しても新規集者の自分の意見なんか誰も聞きませんよね)。ここで問題になるのが補助金です。補助金は大抵「足つき」と言われ農業を何年以上続けないと返さないといない等の条件が付いてきます。これは当たり前ですし補助金が出ている以上自分も納税者ですので有効に使っていただきたいと思います。しかし、今回問題なのは「足つき」ではなかった補助金についてです。青年就農給付金は市?や県?の説明では元々農業をやめても返還義務の無い補助金だと説明されていました。新規就農者はいきなり始めるというリスク等があるため(青年就農給付金と言われる補助金ができる前は就農1年で8割の人が農業は経営的に厳しいという記事を読んだような無いような)青年就農給付金は「足つき」は無く仮に農業が継続できなくても返還義務は無いと説明を受けました。しかし給付期間終了後方針が変更になり最初に決められていた提出書類以上の物を提出しないと変換の可能性があるとなったのです。(ここは推測ですが給付金をもらっても農業を続けていけない人がいる等の噂を聞いたことがありますのでそのようなことが理由ではないかと推測しています。)

 

このように農業系の補助金は「返還になる可能性の条件」が変更になる場合があり、提出する書類は独特な部分があり(行政から見たら当たり前かもしれませんが、以前京セラの稲盛さんの著書の中に帳簿は使い方によって幾つもあると読んだことがありますがその時読んだ感想として農政に提出するものはかなり独特ではないかと感じました。)本気で農業で食べていこうと思えば思うほど(補助金に頼らずに)このような「独特」な(補助金を売り上げにしろとか雑収入にしろとかコロコロ変わる等)事務処理を真面目にやることになります。そして農作業が追いつかず売り上げが落ちて死活問題になった場合でも自己責任です。(現在岩国市では本来提出義務がなかった書類も含め会計検査のための事務処理に追われかなりの痛手です)。

 

さらに返還義務がある補助金の場合は農業が経営困難で辞めざる負えない場合でも借金をしてでも返還しないといけないそうです。そのようになった場合、行政は借金をできるところの紹介等の支援しはできるが立て直しをするための技術や経営等の相談にはできないようになっているようです。初めに書きましたが経営を始めたのは本人だからです。農業が上手くいかずどんなに赤字になろうが補助金を返還できなければ辞められないのです。給付条件が給付終了後に変わってもです。下手すると一生の可能性もあります。これがものすごく補助金の怖い側面です。どんなに赤字になろうがお金を持っていない限り借金してでも継続しないといけなくたってしまう場合があるのです。これは真面目な人ほど陥りやすいです。

 

就農して補助金等を受給する場合、自分で決定したとする誓約書や個人情報開示の書類など判子を押す書類などがあったと思います。補助金を活用して新規就農すること自体とてもいいことだと思いますし農業を盛り上げるためには一部は必要です。しかし、家族や行政、勿論自分の理解なしに判子を押すことは無謀です。今から農業を始めようとされる方は是非自分とは違った意見の方に1分でもいいので耳を傾けてください。私の経験ではこれができないために泥ぬまにはまる人が多いいです。農業を始める時は夢が膨らんでいると思いますが自分に不都合なことに1分×10人も聞ければ大抵上手くいくと思います。私が言いたいのは「補助金と借金をする時は慎重に」だけですので1分もかからないと思います。

 

 

 

食の安全上、少しは農業の補助金は必要だと思います。ただ一部の農業者が苦しむ補助金制度は見直してはどうでしょうか。真面目に農業に取り組めば取り組むほど苦しむ制度は必要なのでしょうか。消費者のためになっているのでしょうか?

日本の農業がもむやみに補助金に頼らず。農業従事が生産品を食べていただける方々に信頼してもらえるよう、これからも頑張っていきたいと思います。

(05.24.2016)


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