【まとめ】大きく変わった、あの日。前編

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東日本大震災。

あれから5年が経ちました。

この節目に、生産者から見た東北の「当時と今」を2本立てでお伝えします。

 

 

まずは前編。

震災直後から半年間の生産者の想いを追いかけました。

 

2011/3/13

無事です

3日間の停電後、さきほど電気が通りました
そしてテレビを見て海岸部の状態を知りました
遠野は建物が崩れると言う事も、今のところ大きな被害もありません
私の住む場所の人たちは、薪で暖をとったりお風呂に入ったり
食べ物も、農家の方がほとんどなので当分の心配はないようです

それより、沿岸の方たちを思うと、本当に心配で涙ばかりがこみ上げてきます
これから沿岸の方が遠野に避難してくると聞きました
少しでも遠野の避難所でゆっくり休んでほしいです

いつ電気がまだストップするかわからないので
取り急ぎ心配していただいている皆様にご報告させていただきました。

(元記事:岩手県遠野市 伊勢崎克彦・まゆみ)

 

2011/3/24

応援している生産者がいます

津波被害の農地、3県で2万ヘクタールに 農水省推計
農林水産省は23日、東日本大震災による津波の被害を受けた農地が岩手、宮城、福島の3県で約2万ヘクタールに達するとの推計を示した。対象3県の全体の農地面積は約44万ヘクタールで、被害面積は約5%に相当する。海水をかぶった田畑は塩分を除去する処理をする必要があり、直ちに農業を再開するのは難しい。(後略)
出典:日経新聞 2011/3/23 20:28

上の数字はあくまでも津波の被害である。
聞くところによれば、岩手、宮城、福島の津波被害がなかった内陸側でも、地震によって水路、排水路がガタガタになった農地がたくさんあると聞く。
まずは不明者捜索、避難者の生活が優先であり、現在は調査もされていないだろうが、これから調査が始まれば、ますます被害面積は広がるだろう。
東北のコメ作りは間もなく始まる。
田植え時期は5月半ばぐらいだろうが、田起こしや、苗作りは4月の初めから。

仮に数か月後に少しずつ田んぼの復旧が始まったとしても、「復旧したから夏に田植えだ」と言うわけにはいかない・・・。
まして、今の現状では、住むところなどの生活再建が先で、田んぼの復興作業はまだまだ先になるだろう。
さらに、復旧作業が始まったとして、塩の被害を受けた田んぼが使えるようになるには、どの程度時間がかかるんだろうか・・・。
避難所生活が終わったとしても、農家が仕事を再開させ、軌道に乗せるには数年単位での長い年月がかかることになるのだろう。。。

———
我が家は、産直での宅配以外に、生協のような宅配・共同購入団体にもお米の出荷をしている。
その団体から、今回の地震で被害を受けた生産者への復興支援基金の案内があった。
実は、我が家も平成5年の台風による塩害の際、田んぼによっては収穫量が半減以下となるような被害を受けた。
(当然、今回の地震と比べればかすり傷程度の軽微な被害である)
それに対し、その団体、そして生産者や消費者会員から集めた、相当な額の義援金を頂いた。
今回はそのお返しではないが、父と相談の上、僅かであるがカンパをさせてもらった。
甚大な被害からすれば本当に微力かもしれないが、少しでも力になれればと・・・。
また、少ししか出さない側が言うことではないかもしれないが、金額の多寡ではなく(当然多いに越したことはないが)、
応援している生産者、消費者がいるという、そんな気持ちも一緒に伝わり、少しでも被災した生産者の心の支えになればと願う。

(元記事:秋田県南秋田郡大潟村 黒瀬友基)

 

2011/3/24

だから、お願いです。

地震から約2週間が経とうとしています。
まだまだ不便な日が続いてますが、だいぶ落ち着きを取り戻したかのように見えます。
ワタシの自転車生活も10日近く経ち、寄り道が増えました
地震前日。
原子力広報の評価委員会に出席してきました。
今年度最後ということで、議題は放射能の風評被害のことがメインに。

六ヶ所村に再処理施設がある青森県。
近隣の農家はホントに大変な思いをしてきたことを聞いていたのですが…
おんなじ青森県でも、どこか遠い話のように聞いてたワタシ。
福島県での事故を聞いて、もっとちゃんと聞いとくべきだったと後悔してます
あなたは福島(茨城・栃木・群馬)県産のモノを食べますか?

福島県でも被害を受けた地域は限られてるのに、福島県というだけで避けられてしまうと思います。
おんなじことが青森県でも起こるかも知れません。
ワタシが作ったリンゴやお米が捨てられるかも知れません
リンゴが捨てられる…

台風19号のゴロゴロ落ちたリンゴを思い出します。
畑一面にゴロゴロと転がってるリンゴたち。
当時、小学生だったワタシですが、しっかりと覚えてます。
あんな悲しい思いをしているのかと思うと、同じ農家として心が痛む思いです。

だからお願いです

お店に出回ってる野菜は安全なモノだから避けないでください!!

これから農作業が本格的になるシーズン。
どうか、我らのやる気がなくなるようなコトだけは起きてほしくないものです。

(元記事:青森県弘前市 坂本司子)

2011/4/16

大地に立って種を蒔いていこう

地震から1ヶ月立とうとする、7日、23時半すぎに
また大きな地震がありました
地震の揺れは大きかったものの、揺れている時間は短かく
被害もありませんでしたが
気持ちのダメージは少なからずありました

いろんな方から、たくさんのご心配メール、電話、コメント
本当にありがとうございました
こんな時こそ、明るく!なんて思ってはいるものの
なかなか心と体が比例しなくて
困ったもんでした
なので、気にかけてもらう、と言うのがすごくうれしく励みになりました
ありがとうございます
3月下旬に地震以来久しぶりに、友達とランチをしました
原発のこと、震災のこと、身の回りのこと、お家のことetc…
たっくさんおしゃべりしたら、それだけで気持ちが楽になり元気になりました
新聞やテレビ、インターネットでいろんな情報は調べられるけど
人と人が顔を見ながら話をするって大事な事なんだなぁと思いました

そして、こんな時だからこそ
きちんと大地に立って種を蒔いていこうと言う気持ちも強く増しました
地震後に蒔いた種は、今日で1ヵ月。
芽を出し、双葉が出て、その間から本葉の顔をのぞかせている芽もあります
自然の中では当たり前の事なのかもしれないけど
ある日突然出てきてくれる、この小さな命が、私にものすごいパワーをくれます
今年も種を蒔けることに感謝しながら田畑に立って行こうと思います。

あんなに待ち遠しかった蕗の薹も
気がついたら開いてしまった
今からだけど、楽しみます♪

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(元記事:岩手県遠野、伊勢崎克彦・まゆみ)

 

2011/9/8

安全な野菜を提供していくつもりです

はじめまして、弘法です。
本日妻に変わりブログを書きます。
私は3年半前に子供がうまれることを機に
妻の生まれ故郷の福島に越してきました。
妻の実家がしいたけ栽培を行っていることもあり、
私もしいたけ栽培をはじめました。
この3年の間に町のリースでハウスを2棟建て、
今はきくらげ専業として勉強し励んでいます。
震災から半年今だに原発問題も終息しておりません。
私の町は原発から100km以上離れており、比較的放射線量が低いですが
風評被害は落ち着きませんしむしろ拡大してるようにも思います。
関東の友人に聞くと福島県の野菜は最近見た事がないと言います。
いったい福島の野菜はどうなっていくのでしょうか。
これから秋にかけてきのこの季節になります。
福島県の生しいたけの生産量は全国8位だそうです。
妻の実家はしいたけ農家なので、今は収穫を待っています。
風評被害ではなく実害だとおっしゃる方もいらっしゃいますが、
このままでは福島県の農業そのものがなりたたなくなってしまいます。
損害賠償をすればいいという問題ではありません。
福島に住む以上放射能とは向き合わないといけないと思います。
私にも子供がいますし、安全な食べ物を食べさせたいと思っています。
無理に福島県の野菜を食べてほしいとは思いませんが、
私たち農家は検査をしっかり行い安全な野菜を提供していくつもりです。
震災から半年いろんな事を覚え学び反省したり応援されたりしてきました。
それを生かしてがんばっていこうと思います。

(元記事:福島県麻耶郡西会津町 三留弘法)

 

 

大きく変わった、あの日。後編に続く。

 


➤この農家・漁師のプロフィールを見る
農家 岩手県遠野市
農家 秋田県南秋田郡大潟村
農家 青森県弘前市
農家 福島県耶麻郡西会津町