やっぱり僕は自然の側にいるのが好きなんだ。

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農家, 畜産農家 福島県相馬市

今年も相馬市に大雪がきました。

ここ福島県相馬市は太平洋に面しており、福島と言っても雪は年に数えるほどしか降らないのですが、毎年その数えるほどの回数の中でドカッと降る日が来ます。

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それが昨夜です。

昨日の夕方から静かに雪が降りだし、また今年も例年通り夜九時を過ぎてからのハウスの雪降ろしに出動でした。

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これが本当にしんどい。

絶対にやらなくてはいけないハウスだけでも25メートルのハウスが七棟。

この他にできればやりたい50メートルのハウスが二棟。

今年は特に、ニワトリがいるハウスと相馬土垂を保管してるハウスは絶対に潰されるわけにはいかないので、必死でした。

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雪をおろすのはハウスの外からではあまり雪を落とせないので、ハウスの中から骨組みを掴んでひたすら揺するという原始的なやり方です。

揺するのは2メートルおきぐらいの骨組みで、25メートルのハウスでも右側、左側と両方やるので果てしなく自分の両腕の感覚がなくなります。

かなり大変ですが、これが一番雪が落ちるので我慢。

数時間かけてようやく雪を全部おろし、家に帰ったときには家族はみんな布団の中でした。

これで大丈夫だろうと眠りについてからのまさかの朝。

まだ雪が降ってる。

すぐに着替えてまた雪降ろしとニワトリの世話に出動でした。

ニワトリ小屋に向かえばあとちょっとのところで道さえ雪で見えなくなっており、途中で車を置いて歩きで向かうことに。

ニワトリは無事だろうかと心配して行ってみると、何事もなかったかのようにご飯を待っていてのんきなもんです。

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餌をあげ卵をもらうと、次はまた雪降ろしに。

もう昨晩の時点で手のひらの血豆は潰れてるんですが、やらないわけにはいかないので血が手袋までにじんでもハウスを揺すります。

キツイキツイと思って一息つきに外に出ると、遠くからまるで映画の登場のようにじいちゃんがこちらに歩いてくるのが見える。

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『あっ、結いか。』

思わず僕の口から出た。

じいちゃんを呼んだ覚えはない。

結い(ゆい)とは、昔の農家がよくやっていたお金のやり取りをしない、困ったときの助け合いだ。

親族ではあるけど、一緒に住んでるわけでもなく、一緒に畑をやってるわけでもないじいちゃんが結いに来てくれた。

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本当にありがたい。

やがて雪は静かに収まり、おかげさまで今年もハウスを守りぬけました。

手のひらの血豆も去年の半分ですんだ。

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毎年毎年、東北はこれだからキツイと思うのですが、それでも夜に見る一面の雪景色や朝に見る一面の雪景色は、すべてを帳消しにして痛みさえも忘れさせてしまうから不思議だ。

来年もこんな雪にまた逢いたい。

やっぱり僕は自然の側にいるのが好きなんだ。

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(2016.1.30)

 


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