今日は久々の雨ですね。
この時期の畑は雨が降ると何もすることがないんですが、
今日は屋根の下で着々と完成に近づいているぼかし肥料の切り返しをしてきました。
今日のぼかし肥料はこんな感じです。
素手で触っているのは温度を確かめるため。
ほくほくと温かいです。
生きているんだなぁと感じることができます。
そもそも「ぼかし肥料」って何?
という方も多いと思うので簡単に説明しますと、
原料となる有機物を微生物や菌類の力で発酵させ、植物が吸収しやすい大きさにまで分解させた肥料。
これだけ見てもよくわからないと思うので、使うとこんなメリットがあるというのを紹介します。
①肥料が早く効く
②土壌中の分解で発生するガス等で根が傷みにくい
③植物が直接吸収できるアミノ酸が豊富
本来、土壌中で行われる発酵・分解を地上でやっておくことで、吸収しやすい形になってスムーズに植物に吸収されます(①)。
今の段階でぼかし肥料のにおいを嗅ぐと分かるんですが、ガスが発生していてちょっと臭いです。
このガスが作物の根を傷めたりするので、今のうちからガスを放出しておくことで作物の根を守ります(②)。
また、微生物や菌類によって分解された有機物は小さなアミノ酸やペプチド、核酸といった植物が直接吸収できる水溶性のたんぱく質へ変えてくれます。
また、微生物や菌類によって分解された有機物は小さなアミノ酸やペプチド、核酸といった植物が直接吸収できる水溶性のたんぱく質へ変えてくれます。
こういった形で窒素を供給することで、植物体内における「窒素を光合成により身体を作る」という作業が効率的に行われます(③)。
③がちょっと分かりにくいのですが、作物の身体に近い形で肥料を吸収するので、作物にとっては身体を作るのが楽チンなんです。
さて、ちょっと難しい農業講座は置いておいて、今のところなかなかいい感じです。
この肥料を使うからこそ、うちの野菜は美味しいと言ってもらえているような気がします。
そして何より、僕はこの作業が好きなんです。
目に見えない微生物や菌類の営みが感じられてワクワクします。
ちょっと変態かもしれませんが、こういう世界が好きです。
日本は古来から微生物をうまく使って生きています。
納豆や日本酒なんかがその代表例。
その一端に触れていると思うととても嬉しいのです。
その恵みを受けて作る野菜たちが美味しいと言ってもらえるのも、また嬉しいです。
作った野菜を使って飲食店で食べてもらう、というのが農家レストランですが、
言葉で言うよりもっと奥深いところで僕は毎日感動しています。
僕の畑のことをもっと知ってほしい。
僕の野菜のことをもっと知ってほしい。
そのために鳳来館でそのきっかけ作りができたらいいなと思っています。
鳳来館の食事作りはまず肥料作りから。
(もちろん土作りも大事ですが、それはまた別稿にて)
(2016.1.29)