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農家・漁師紹介

今村 ことよ

茨城県つくば市

Bee’s Knees Vineyards(ビーズニーズヴィンヤーズ)として、茨城県つくば市の筑波山麓地域で2015年よりワイン用ブドウの栽培をしています。


【葡萄づくりを始めたのは、ワインが好きだったから】

つくばで大学生活を過ごしてからは、都内の製薬企業で働いていましたが、本当はつくばで就職したいと思っていました。その不本意ながらの東京生活でワインを楽しむようになり、国内外のワイナリーを訪問したりしているうちに、「自分でもワインを作ってみたい」と思うようになりました。しかしながら、今まで築いたキャリアを捨ててまで、葡萄栽培・醸造の世界に踏み込むことに迷いがあり、夫に打ち明けたところ、反対に「やりたいことがあるなら、やれば良いじゃない」とあっさり言われました。

2013年に夫婦で長野県上田市へ引っ越し、夫はそこから都内に通勤。私自身は長野県東御市の株式会社リュードヴァンというワイナリーに研修生として入り、一年半、葡萄栽培やワイン醸造を経験しました。
退職前には筑波大学の先生方による研究論文を読み、つくばでの就農を念頭において研修をして来ました。

◆筑波山がミネラルを多く含む花崗岩質土壌であること。
◆筑波山に特徴的の「逆転層」現象で中腹に温かい空気が集まるため、冷たい空気の残る裾野が葡萄栽培に適しているのではないかということ。
◆東西に吹く「陸海風」に合わせて畝を作ることで病気の発生をより抑制できるかもしれないこと。
◆茨城県沖の寒流の影響で気温上昇がある程度抑えられると考えられること。
◆年間平均降水量も1300ミリと、ブドウ栽培において許容範囲内。

などの条件を知るうちに、つくばでワイン用ブドウを栽培してみたい、一体この風土からどんなワインができるのか、自分で見てみたい、と思ったのが退職を決意した大きな理由です。

2014年には長野からつくばに畑探しに通い、できるだけ東西に横長の土地を探し2015年から借りられることになりましたが、やや荒れていた畑の篠竹や雑木を伐採し、石を除き、支柱を立て、やっと春の苗植えにたどり着くことが出来ました。
Bee’s Knees Vineyardsでは、白ワイン用としてシャルドネ・セミヨン・ヴィオニエ、赤ワイン用としてカベルネソーヴィニヨン・メルロー・シラー・タナの計7種類の苗を植えています。

葡萄はその土地の個性を反映する果物であり、ワインはその地の個性を活かして造るものだと思っています。いずれつくばを訪れた方に私達のワインをふるまって、つくばの食と一緒にワインを楽しんでもらえたら、と思います。将来的には醸造施設を建てて、筑波山麓のワインを造りたいと思っています。


【科学的に、自然農を紐解く!】

極力農薬の使用は減らしたいと思っています。日本でも自然農法や炭素循環農法による無農薬・無施肥栽培を実践している方がいますが、それで作物ができる科学的根拠は不透明です。海外でのワイン用ブドウでの栽培でも、ビオディナミ(バイオダイナミクス)農法、リュットレゾネ(減農薬)農法、有機農法などを試みている生産者が増えて来ています。一方で薬剤を適切に使い、健全な果実を得ることもビジネスとしては必要不可欠なことです。病気に侵されていない果実は、スムーズな発酵につながり、雑菌汚染されていない健全な味わいのワインに仕上がります。
私自身は製薬業界の出身ということもあり、必要なタイミングで適切に薬剤を選択して、適正使用を心がければ最終的な残留農薬を低減でき、健康被害を及ぼすことがないことも十分に理解しています。その中で、どのような栽培法が科学的裏付けを持って、減農薬に寄与できるかを探って行きたいと考えています。農薬や肥料が減らせれば、農薬・肥料代とその散布に伴う労力、周辺環境への負荷を低減できます。これは農家にとっても自然にとっても大変なメリットです!

荒れていた畑も、ブドウ苗を植え、緑肥植物の種子をまき草生栽培を行うことで、地表が緑に覆われ、柔らかい土壌に変化していきます。
試しに作っている無農薬無施肥のジャガイモなど、地の恵みを手にすると、土というのは資源なのだなあ、と改めて実感できます。

自然農や炭素循環農法、微生物同士の相互作用についての研究はまだまだこれから発展する分野で、参考文献もあまりありません。今後は筑波大学との連携で、自然栽培における土の変化などを探っていければと思い、実験方法を考えているところです。それぞれの環境にいる目に見える動植物・虫などの動向も手がかりに試行錯誤しながら、科学的分析も併用して、目には見えない土壌微生物の状況を考察していきたいと思っています。

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