【まとめ】農業が島の未来を変える! ~米酢が体現する農の可能性~

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この記事の書き手

 

「農業の可能性を追求する。だからお米で調味料となります」

 

突然ですが、この一文を読んであなたは何を思いますか?

 

「農業の可能性って何?」、「どうして”だから”なの?」

不思議と惹かれるものを感じた編集部は、

この“調味料”、「静置発酵醸造 純米酢」について調べてみることにしました。

 

“まろやかなお酢で 口当たりがとても良かったです”

”京都の大山崎で買い求めてからのファンです♫
関西でも定期的に入手できるようになることを願っております!”

ホントにまろやかで美味しい酢ですね〜”

 

これらはお客様たちから寄せられた声。

米酢は大好評のようで、

そのまろやかさは、そのままでも飲めてしまう程だとか。

しかしこの米酢、その背景を知ると、ただ美味しいだけではない物語が隠されているようです。

米の消費量が激減する現代において、

お米を再び食卓の中心に戻し、欠かせない存在にしてしまうのではないか

そんな未来を予感させます。

そこで今回のまとめでは、

”能登島の子どもたちに農業も選べる環境を”

との思いを胸に”農業の可能性”を追い求める「ラコルト能登島」が作り出す純米酢と、

彼らのもとで広がるお米の、そして、農業の未来を特集します。

 


 

【農事法人ラコルト能登島とは】

 

石川県七尾市、能登島。

能登島 景色

この人口約3000人の島で活動しているのが、農事組合法人、「ラコルト能登島」

 

平成22年の秋から耕作放棄地の再生への取り組みを始め、

今やお米、オリーブ、イタリア野菜の栽培、加工、販売など

彼らの活動は大きな広がりを見せています。

詳しくはこちら!

 

イタリア野菜
ラコルト能登島専務理事 洲崎邦郎さん

 

お米 能登島

【能登島向田ほたる米】コシヒカリ

 


 

【田んぼから来た調味料が食卓を変える】

 

そんなラコルト能登島は、“どうやって売るのか”のその先、

“自分たちの活動はどこへつながっていくのか”ということを大切にしています。

そこで導き出された答えの1つが“食卓を変える”ということ。

そして、その方法が、「静置発酵醸造 純米酢」でした。

 


 

“現代の日本人の食卓は簡単・便利・省略された料理が多く並ぶようになりました。

子供たちは旬のもの、初物などを意識せず、見た目や味覚のわかり易いものを好物とする傾向にあります。

私たちはこのような食卓に危機感を感じています。

簡単便利な料理、いつもと同じメニューから生まれる会話には料理と同じように深みがなく、味気ないような気がします。

そこで、手間をかけた食材を家庭に届けることでお母さんのやる気や本気度を促し、料理にひと工夫していただく。

そのことが季節の話題や味の比較、何よりもお母さんの調理について注目が集まります。

本格的な製法でじっくりと造った米酢が食卓に上り、味の違いを知ることで食卓が変わる。家族の会話が変わる。

小さな変化かもしれませんが大切なことだと思っています。”

(商品紹介ウェブサイトより)

 


 

 【酢差しがある食卓ってどうですか?】

 

お酢を通して“家庭の食卓を元気に明るくしたい”と願うラコルトは

さらに、お隣のガラス工房さんにお願いして

「醤油差し」ならぬ「酢差し」まで作ってしまうほど。

 


 

“醤油差しがあるなら[ 酢差し ]も(笑)

家庭の食卓には、醤油ざしが置かれています。
でも「酢差し」は無いんです。

キャベツの千切りに、
焼き魚のアクセントに、
ほうれん草のお浸しに。

 食卓に「酢差し」があったら、食事の時間が楽しくなり、
家族との話も弾むような気がします。

「これかけたら、味変わったよ!」
「そんなもんにかけて、うまいかいや?」
「いっぺんやってみて、美味しいから」
 こんな会話が聞こえてきそうです。

 キッチンには一升瓶、食卓には酢差し。
このアイデア、みなさんは、どう思いますか?”

すさし

(元記事:2015.3.9)


 

【減農薬・有機肥料、それだけではもう売れない時代】

 

順風満帆に見える純米酢ですが、

そもそもの始まりは〝お米を売ること″ の行き詰まりでした。

 


 

“3年前、耕作放棄地の解消を目的に、減農薬・有機肥料使用のコシヒカリの栽培に取り組んだが、

差別化 をはかることが出来ず、当初は全く販路を作ることが出来なかった。

そこで特別栽培米コシヒカリの生産 販売に加え、この米を用いた付加価値ある商品開発を行なうことを考えた。

しかし具体的に何をしてよいのか見当がつかない。

そこで団体の趣旨に賛同するフードコーディネーター、マーケッター、デザイナー、 メディア関係者を組織し、

5名の専門家が議論を重ね、静置発酵醸造による純米酢の製造というアイデアにたどり着く。

そして、本格的な製法による酢を造ることで食卓を元気にしたいとの考えが生まれた。”

 


 

【お米の力を生かしたお酢作り】

 

”手間をかけた食材で食卓を豊かに。”

そんな彼らの採用したお酢の製造方法は、

”静置発酵醸造(せいちはっこうじょうぞう)”と呼ばれる昔からの丁寧さが息づく製法でした。

 


静置発酵法は日本では昔からお酢の製造に

採用されている方法で、別名を表面発酵法、

長期発酵法とも言います。

 

大量生産されているお酢は一般的に

合成酢であり、6時間ほどで化学反応により酢になります。

一方、静置発酵とは、昔ながらの木桶で、

まず酒(どぶろく)作りを行い、

120日以上かけて自然の力で発酵し熟成したお酢のことを言います。

 

お酢が持っている本来の味わい、まろやかな感覚は、

料理などに使うと、よりはっきりとわかると思います。”

 

酒造 能登

(元記事:2014.5.25)


 

【米酢からマヨネーズ!? お米の広がる可能性】

こうして丹精も、思いも込めて作られた純米酢は、

2014年夏に発売されて以降、島はもちろん、そこを飛び出し、

金沢市、福井県、東京と取扱店がどんどん増えています。

しかし、彼らの可能性への追求はまだまだ序の口。

お米ってこんなにすごかったっけ?

そう思わせるほど、様々な可能性が米酢から生み出されています。

 


 

“お米で作れる調味料は、料理酒、味醂…
味醂からは三杯酢。

お酢を原料にドレッシング、ピクルス液、マヨネーズ”

 

〝純米酢のまろやかな味を強みとして、ピクルスやマヨネーズの商品開発を始めました。

金沢市内のイタリアンシェフが我々の活動を支持し、基本的な味作りを行っています。

ピクルスは定番 のパプリカ、キューリ、ニンジンを始め、生産しているイタリア野菜のチェリートマト、ズッキーニ、白ネギなども試作中です。

ピクルス

また、マヨネーズはプレーンな味に加え、バジル味、へしこ(いわし)味を試作中。

IMG_2845

それに加えて、将来、オリーブの実が多く獲れ、オイルを絞れれば、洋の調味料を手に入れることができます。

既にある和の調味料、米酢と能登の美味しい塩を合わせればドレッシングの出来上りです。”

(元記事:2015.11.8.)


 

【フード・アクション・ニッポン】

そして2015年11月、

ラコルト能登島の純米酢はその取り組みを讃えられ、

“第7回フード・アクション・ニッポン”で賞を獲得しました。

 


 

 “ラコルトの純米酢が入賞しました‼

昨年夏発売し、
多くの方にまろやかで
美味しいと評価をいただいています。

今川社長に造ってほしいと言って2年。
津隈さん、受川さんと
プロジェクトチームで開発し、
皆さんでラッピングした酢。

本格的な製法で造った酢が
料理を変え、食卓を変えること
なればとの想いで始まりました。

この事業もお米を
本格的な調味料にすることで
農業の可能性を
皆さんに知っていただければとの想いです。

いつも応援してくださっている方々に
心より感謝いたします。

そして活動はまだまだ続きます。”

(元記事:2015. 11. 19.)


 

純米酢の物語はいかがでしたか?

 

“農業は、だだ黙々と生産物を作るだけ。”

そんなイメージがまだまだ一般的である現代において、

ラコルト能登島は、「お米からこんなものができるんだよ!」、

「農業を通してもっともっと広い世界を変えることができるんだ!」

という農業の可能性の大きさ、おもしろさを体現し、発信しています。

そして、

“能登島や周辺で暮らす子どもたちに農業をやってもいいかなと思わせる。

そのために農業を元気にしていく”

このゴールに向かってラコルト能登島の農業の可能性の追求は続きます。


➤この農家・漁師のプロフィールを見る
農家 石川県七尾市