桒野由美さん(農家・福岡県福津市)に聞く!①:「食べものにストーリーを込める」

in 九州/生産の哲学/福岡/編集部から/農家漁師にインタビュー
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食べタイの農家さん、漁師さんの元へ

編集スタッフが駆けつけ、生の声をお届け!

 

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くわの由美さん
(くわの農園 福岡県福津市)

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第1回「食べものにストーリーを込める」

 

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私のところは主にキャベツ、お米、いちごを作ってるんよ。農協を通さず販売しよう。農協を通すと規格外のものが販売できんけんね。規格外のものっていうのは、例えばいちごならヘンな形しとるやつとか、小さいやつとかのことね。でもね、もちろんやけど規格外のものも味は変わらないしね。それどころか私は規格外のものの方が価値があるって思っとるんよ。なんでかって?それは規格外のものってなかなか作れないから。一つの苗に一つしかできないようなすっごいヘンな形のいちごとかもある(笑)。

おおおおおお

 

 

 

 

 

だから私はその規格外のいちごにストーリーをつけて売ることにしたと。「一つの苗に一つしかできない珍しいいちごです」ってね。そしたら買う人の反応が変わった。「そのいちごが欲しいです」っていう人が出てきたんよ。今では普通のいちごを買っていくお客さんが「規格外の珍しいいちごを売ってください」と言ってきたりもする(笑)。

 

こんな私たちの売り方をどこかで知って、私たちに興味を持ってくれる生産者さんもいるのは事実。農協に入っている生産者さんたちよ?彼らも「これじゃあいかん」って思いながらも、何もできずにいるみたい。

 

こないだうちでいちごの収穫体験を行った時に、一人だけ年季の入った長靴を履いた人がおったけん、「農業をしているんですか?」って聞いたら、「農業してます。くわのさんのところに興味があって来ました」っていう人がおったもんね。この人みたいに何かしたいけど動けない、どうしたらいいか分からないっていう人は少なからずおると思うよ。あ、余談やけど、うちは「いちご狩り」とは言わんで「いちごの収穫体験」って言うと。普通のいちご狩りは、お客さんがいちごをハウスの中で採って食べて終わりやろ?農家さんと話す時間もない。でもうちの場合は摘み方から、いちごの豆知識から教えながら食べてもらうと。だから収穫体験。

おおお

 

 

 

 

 

こんな話ばっかするけん、「もとからずっとうまくいってきたんじゃないですか?」って思うやろ。でもそうじゃないとよ。私は嫁いできてから農家になったから、最初から農家になりたいと思ってたわけではないのよ。だから嫁いだ当初は泣きながら農作業をしていた。しかも、今みたいに販売先は多くあったわけじゃなかったので、営業職の人みたいにピンポンならして、チラシを入れて歩いたしね。たまにうちにも営業の人が来てくれるけど、営業の人の大変さがよく分かるよ(笑)。あと、大手の取引先さんに問題が生じて急に「もう買えません」と言われたときも大変だった。こっちには数十トンもの野菜があるのに、どうしようってね。でもこんな経験があったからこそ今があるのかもしれないね。

(9月4日公開② http://taberutimes.com/posts/3130 に続く)

 

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聞き手:中山拓哉(慶応義塾大学4年・NIPPON TABERU TIMES編集部)


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農家 福岡県福津市