廃棄される魚と「つながり」を失った時代

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農家, 畜産農家 福島県相馬市

魚屋さんから魚の売れ残りとアラをもらってきました。

大野村農園では毎週一回、ニワトリの餌として地元の魚屋さんの所へ廃棄される予定の魚をもらいに行っています。餌としての魚は、市販品として魚紛(ぎょふん)としても販売されており買ってしまえば早いのですが、私たちはあえて買わずにうちで出る傷物の野菜と交換という形で魚屋さんと毎週やり取りしております。

正直に言えば市販品を買った方が断然楽ですし、ほとんどの養鶏農家さんは市販品を買っていると思います。でも、それでいいのでしょうか?

ニワトリを飼いだして間もないとき、地元の魚屋さんに出向き廃棄される魚があるかどうか不安に思いながらも尋ねました。私としてはあまりないんじゃないかと考えていたのですが、わずか1店舗の小さな魚屋さんに驚くほどの廃棄される魚があり、毎日業者さんにお金を払ってまで回収に来てもらってるんだと知らされ、こんなにも棄ててるのかと唖然としたのです。昔ならきっとこんなことはなく繋がってたんだろうなって思って、同時に今の時代はみんながバラバラなんだとすごく悲しく感じました。

魚屋さんはお金を払ってまで魚を棄て、ニワトリ農家もお金を払ってまで魚を他県から買ってくる。こんなの変だしお互いに繋がったらいいじゃないですか。そんな想いが通じて、それから毎週魚を頂きに行っています。

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写真にある魚を見てもらえばわかるように、まだまだ人間が食べれそうな旨そうな魚がたくさん見えます。私たちはこの魚を学校給食のような鍋で三時間煮込みます。煮込む道具はもちろんロケットストーブで、電気もガスも使わない。木もむやみに伐採はしない。風で折れた木の枝だけが燃料です。

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こんなものでも三時間かければグツグツ煮込め、仕上げに傷物のジャガイモなども入れて煮込めば最高のニワトリの餌が出来上がります。

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ポチッとスマホの画面を押せば簡単に餌が買えてしまう時代に、私たちはあえてこのやり方を選びました。毎日作業についてくる二歳の息子にも、いずれお父さんお母さんがしてるこの意味がわかってくれればと願っています。手間をかけるからこそ、ニワトリにも、魚にも、自然にも、今日も感謝して美味しい卵をいただきます。

(2015.8.27)


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