りんごの蜜の秘密

in うんちく・こだわり/中部/長野
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農家 長野県長野市

りんごと言えばやはり蜜入りのりんごを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

この「蜜」ですが、注射器で入れるなど、人工的に入れているわけではありません。
蜜の正体は「ソルビトール」という糖質アルコールの1種です。

ソルビトールとは、りんごの成長過程で葉の光合成によって作られ果実内に運ばれるものです。
そしてソルビトールは果実の中でりんごの本来の甘味である果糖やしょ糖に変換されます。

しかしりんごが完熟すると、糖分は飽和状態となりソルビトールは糖分に変換されず、そのままの状態でたまります。

これが蜜になるのです。

蜜入りのりんごの方が「甘い」と言われ人気ですが、蜜無しりんごと比べても、

実は糖の量や甘味の強さに差がないケースが多いのです。

実際、ソルビトールは果糖やしょ糖の半分くらいの甘さしかないため、蜜自体は甘くないのです。

そこで、中央農研で多くの成分を一度に分析できる「メタボローム解析法」
という方法でふじを調べた結果、蜜入りと蜜なしのふじでは
香気成分が異なることがわかったそうです。

香りの成分であるエチルエステル類が風味を高めるといいます。

また、人間の感覚による官能検査を行ったところ、香りは蜜入りの方が蜜無しより良い、
という結果が出たのに対し、鼻をつまんでの試食では「差なし」という結果になりました。

果物のおいしさは、糖度などではかられることが多いのですが、糖度だけでなく、
いかに香り高いりんごに仕上げるかも重要で私どももより意識を高めたいと思います。

●参考文献【https://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/narc/061985.html
・農研機構 蜜入りリンゴのおいしさは香りにあり

(2017.9.2)


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