畑や田んぼは、ゴミ箱じゃない。

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農家 愛知県碧南市

「おー、結構しっかり宅地の中の畑なんですね。え?お隣さんちょっとウルサイ方?うーーーん。」

なんて事を言いながら、住宅地の真ん中にある畑を借りることも多い。

そういう畑では機械の音も騒音、肥料のにおいも悪臭と捉えられて近隣住民からのクレームと闘いながら共存を目指していく事になる。

さらには、いつ家や店が建つかもわからない。

賃貸借契約があるといっても、地主さんからの売る事にしたからね、いう神の一声で畑はお返ししなければならないので、場合によっては投入した肥料も種も無駄になる。

腰を据えて作物を作りながら土にアプローチしていくのではなくて、いつ何が起きても良いように生育サイクルの早い農産物をさっと作ってさっと収穫するのがベター。

そんな事から宅地農地はみんなが「なるべく借りたくない」農地であると言えます。

みんなが借りたくない畑といえば、耕作放棄地バスターズの鈴盛農園の出番となり気づけば宅地農地を借りることが増えました。

騒音、悪臭、生活と農業、色々な問題があるのですが、今回のテーマはゴミ。

住宅地の中に畑がある場合、地域のゴミ捨て場となるゴミ収集場所がその畑の周りになるケースが多いように感じます。

誰しも自分の家の前がゴミの収集場というのは嫌だろうし、カラスなんかが来て散々汚していかれたらたまったもんじゃないですからね。

その結果、うちの畑はゴミだらけになることも。

すぐに野菜に悪影響のあるようなゴミは無いのですが畑で育てているのは人の口に入る食べ物です。

燃えるゴミの日にカラスに荒らされれば畑の中に入ってきたゴミを急いで拾います。

あまりにも酷いので市の環境課に相談しましたが、ゴミの収集場は市ではなく地域で決めている事なので何もできないとの返答。それなら仕方ない。

できる事からやっていこうと、ゴミ袋にはネットを被せて棄てて下さいという紙を作ったりしました。

ゴミ収集業者もその惨状を見ながらも我関せずでしたが、まぁこの人たちに罪は無いから…と思っていた矢先、停めてある車が回収の邪魔だ、どかせ!とクラクションを鳴らしてきたのでこの時は流石に文句言いました。

みんなここが畑であって、食品をつくる場所であるって事まで忘れたのか?もしかしたら自分の口に、子供の、孫の、大切な人の口に入るかもしれない野菜を育てている場所にゴミが散らばっても何も思わないところまで堕ちたか?

と、モンモンとした気持ちでいました。

ところが、数年が経ち。

近隣の方が動いてくれました。

ゴミは絶対ネットの中に入れましょう、

ネットをもう一つ用意したので二重にしませんか?

ゴミがカラスに荒らされないように意識して捨てようと掲示物を作って貼り出してくれたのです。

これは嬉しかった。

畑や田んぼに、ゴミ、空き缶、タバコの吸い殻を平気で捨てるような人はこのブログを読んでくださっている方の中にはいないと思います。

宅地農地に限らず、通り沿いの畑なんて本当にひどいんです。

農家はその行為に対して怒っています。

みんなどこにぶつけていいかわからない声を押し殺してただゴミを拾うんです。

みなさんの、そしてみなさんの大切な人の口に入るかもしれない食べ物を作っている場所です。

それに、田んぼのあぜ道に缶や鉄くずを棄てられると草刈りの際にそれらを巻き込んで機械のトラブルになったり、飛んできて怪我をする事にもつながります。

農地はゴミ箱じゃない!

そんな当たり前のこともわからない奴は4歳くらいからやり直してこい!

そう思っているのは僕だけじゃないはずです。

(2017.7.11)


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