便利の代償に私たちが失ったもの

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農家 大阪府茨木市

【便利の代償に私たちが失ったもの】

今日は「ビオトープ」の勉強会でした。

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ビオトープとは生き物が生きていくことができる場所のことを言います。

都会でもオフィスの屋上や学校に作ることが世の流れになっているようです。

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今回は、そのビオトープを私たちの村に作ることになり、専門家にお越しいただき、地域の人が勉強のため、集まりました。

私たちの地域には秋に「新名神」が開通します。

私の村にインターができる予定です。
ずいぶん反対運動をしたそうですが、国の大きな決定は覆らず、美しい棚田も、山も削られ、多くがなくなりました。

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ビオトープは、その中で行き場をなくした動物や植物を少しでも自然に戻すよう、地元が行政、NEXCOに要請をして、作ることになったものです。

でも、今日ビオトープを学び愕然としました。

当たり前ですが、敷地面積とその地に根付く生物の種類次第で、エサの種類と量が決まります。

そこで築ける「生物ピラミッド」が決まってしまうのです。

いろんな人が労力をかけ、お金をかけて作る私たちの村のビオトープの生物ピラミッドのトップは「メダカ」でした。

どれだけそのビオトープにフナを戻したくても、フナはそこでは生きられないのです。

他にも行き場をなくした多くの生物は、新しく作るビオトープには根付くことはできません。

生物ピラミッドの1番トップにいるオオタカが1匹生息するために必要な森は、学校のグラウンド100個分くらいだそうです。

1番トップがいなくなると生態系は崩れていきます。

今回の開発で、多くの生物が行き場をなくし、死んでしまいました。

私たちも今年は本当に獣害被害(人害)苦しみました。

もうすでに生物ピラミッドの1番上にいる私たち人間にも生態系の崩れによる影響はたくさん出ています。

私は、今日一度壊した自然を元に戻す力は人間にはないのだと思い知りました。

便利の代償に私たちは自分たちの首を思いっきり絞めているのだと感じます。

これから人口も減り、インターネットが発展し移動も減っていく中で、渋滞回避の高速道路は本当に必要だったのだろうか。
改めてそう思います。

もうちょっと先の未来の人たちがちゃんと生きていける選択をしなければ、ほんまに息子に顔向けできません。

新しくできるビオトープでは、高速道路のためにどれくらいの自然を切り開き、このビオトープで何を復元できたのか、きちんと「ありのまま」を伝えることをお願いしました。

完成した暁には、たくさんの人にありのままを知ってほしいと切に願います。

(2017.1.20)


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