お得じゃない「ふるさと納税」はいかが?

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農家 鹿児島県南さつま市

先日、南さつま市への2017年のふるさと納税が10億円を突破したというニュースがあった。とてもめでたく、頼もしいことである。

ふるさと納税をすると、南さつま市の場合は返礼率が4割なので、市内で製造された返礼品が4億円分消費されたということになり、こういう小さい自治体としてはそれだけでも大きな経済効果になっている(正確には、返礼品をみんながすぐに注文するわけではないが計算上の話)。

実は、私が無農薬・無化学肥料で栽培しているポンカンも、今年からふるさと納税の返礼品のラインナップに加えてもらっていた。上記のような状況であるから、担当の方も「すぐに完売すると思いますよ!」との強気の姿勢であったが、いざ蓋を開けてみると、うーん、それほどの引き合いはなかった模様。やっぱりポンカンだけ9kgもはいらないということだろうか……。

私が出品しているこのポンカン、ちょっと他とは違う特色があるので、このあたりでちょっと宣伝しておきたいと思う。「ふるさと納税の宣伝なら年内にしないと意味ないでしょ!」というツッコミもあるだろうが、以下をお読みいただければ分かる通り、これはお得な情報というより、むしろその逆をいっている宣伝なのでそこは何の問題もない。

さて、私はポンカンを「樹上完熟の”自然派”ポンカン」という名称で出品していて、これは40ポイントで注文が可能である。この「ポイント」というのは、ふるさと納税を行った時に獲得できるもので、南さつま市の場合は1万円の寄附で40ポイントがもらえる。このポイントは、お金で換算すると1ポイント=100円に設定されているから、40ポイントというと4000円相当ということになる。

要するに、1万円ふるさと納税をすれば4000円分の品が注文できる仕組みになっており、私のポンカンも1箱4000円の返礼品になっているのである。

が、実はこのポンカンの注文があっても、私の口座には3500円しか入ってこないことになっている(なお送料は市が負担する)。では、差額の500円はどこへ行ってしまうのか?これは、もちろん市のフトコロに入るわけである。つまり、ふるさと納税で1万円寄附すると、普通は4000円分の返礼品が貰えるので、実質的には差し引き6000円の寄附ということになるが、私のポンカンを返礼品にした場合は、それより500円多く6500円分の寄附ができるのである!

これは、ほとんどの場合ウリにならない特色である。私のポンカンは他の返礼品より500円割高だ、と言っているのと同じなのだから。ふるさと納税の最近の過熱ぶりを見ると、返礼率を高めて、より得になるような仕組みが喧伝されているし、実際、返礼品については「地域の特産物」とかよりも、単純に「お得な」返礼品が人気だという。多くの人は「ふるさと納税」に「お得」を求めている。そもそも節税対策の意味合いが大きいのだし。

でも本来の趣旨から言えば、あくまでも返礼品はお礼の品であって、購入する「商品」ではない。そして南さつま市の発展を願ってふるさと納税してくださっている人からすれば、返礼品を充実させるよりも、自分が納税したお金が、ちゃんと有効に使われるということの方が重要な筈である。極論を言えば、返礼率は低い方がいいとすらいえるかもしれない。

というわけで、そういう気持ちを持った人は、私のポンカンを返礼品に選べば、たった500円だが余計に市に寄附できるわけだ。

美味しいお肉や新鮮なお魚、宝石みたいにキレイな果物なんかと比べると、私のポンカンは随分地味なものであるが、こういう特色もあるので、その方面に関心のある方は、どうぞお引き立てよろしくお願いします。

【南さつま市ふるさと納税特設サイト】樹上完熟の“自然派”ポンカン

(2017. 1. 1)


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