すべての人の故郷は地続きでつながっている

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農家 広島県廿日市

葉の表面にシワがある野菜が「カツオ菜」、すっと葉が伸びた野菜が「熊本京菜」です。カツオ菜は福岡、熊本京菜は熊本で、どちらも正月の雑煮には欠かせない葉物野菜だそうです。
カツオ菜は、私達が農業を学んだ福岡の糸島で初めて知りました。野菜を配達しているお寺のお坊さんに福岡出身の方がいて、お届けしたカツオ菜を見て、「カツオ菜のない鍋は考えられんちゃもんね。」と博多弁でとても親しみを持って話してくれたことを印象深く覚えています。
熊本京菜は、糸島での研修時に暮らしていた家の大家さんの叔母さま(熊本在住)から「この種を宮島で植えてみて」と言われて送っていただいたものです。宮島で育てた熊本京菜をお届けしたお客様に、故郷の香川のマンバに似ていたので、けんちゃん煮(茹でたマンバを、豆腐お揚げとイリコダシで一緒に炒め煮にする料理法だそうです。)にしてみました。というメールをいただいたことがあります。
縁あって宮島で育った野菜が、だれかの故郷につながっている。そういうことを感じられたとき、行ったことのない見知らぬ土地が、とても身近な親しみのある故郷の一部になっていきます。
宮島は島ですが、海の底は地続きで世界とつながっています。少し潜りさえすれば、すべての人の故郷は地続きでつながっています。

(2016.12.9)


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農家 広島県廿日市