なぜUSJ職員の私がうど農家になり、過疎化した集落の活性化に真剣になるのか。

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農家 大阪府茨木市

最近、一番聞かれる質問。

「なんで農家になったの?なんでそんなに茨木市北部地域の活性化に真剣なの?」

実は、その答えをずっとうまく言葉にできずにいました。
そのせいか、母親なんかは何度説明しても、

「本当は都会の仕事や人間関係に疲れたから、農業・田舎に逃げたんでしょ。」と・・。

でも、私からすると、都会でサラリーマンしていた時の方がずっと楽に稼げたし、
人間関係も、価値観が近しい人が多かったし、うまくいかない場合も、
関わらなければいいので楽だった。

とにかく今よりずっと「楽」だったのです。
じゃあ、何でわざわざ「大変」な方を選んだのか。

自分の食べるものは自分で作る。
エネルギーを自給自足する。
自然とのつながりを感じながら共存する。

nakai

地域の人たちのそんな「生き方」を強烈にかっこいいと思った。
自分がこれまで深く考えず消費して「生きること」を適当にしていたのが、
かっこ悪いと思った。

その感情がきっかけだと最近気が付きました。

私がこの地に住もうと思ったきっかけは、「古民家で暮らすって素敵そう。」という
超適当なイメージから。
農業に興味があったわけでもないし、食への関心が高かったわけでもない。

でも、ここに住む以上、田と畑はセットだったので、
どうせ草刈りしなきゃならないなら、食べ物育てようと田んぼと畑をはじめ、
茅葺で家が寒すぎるので、対応できる暖房器具は薪ストーブしかなかったから、
面倒だけど間伐と薪づくりを始めました。

ところが、これがびっくりするほどうまくいかない。

虫が出るのが嫌で農薬したら、体調崩して寝込むし、
無農薬で育てたら、虫のために野菜育ててるような状況になるし、
やっとうまく育てられたなと思ったら猪に根こそぎやられるし、
間伐するにも、どの木をどうやって切ればいいのか見当もつかないし・・

自分で食べるものを自分で作ったり、
自分が使うエネルギーを自分で用意することが
こんなに大変なことだとは・・
簡単に食べ物が手に入り、スイッチを押せば快適な環境になる今の社会とのギャップに驚きました。

そして、消費する側とつくる側のバランスが崩れたらどうなるのか・・
恐ろしくなりました。

地域の先輩たちは、うまく動物や虫たちとも付き合っていたし、
自然の成り立ちや、生物の仕組みをよーく知っていて、
シンプルで本質的な暮らしをしていました。

教わりたいこと、教わっておかなきゃ取り返しがつかないことがありすぎて、
もう「楽」をしている場合じゃないのだと知りました。

だから私は三島独活農家になり、地域活性化に取り組むようになりました。

「私は、消費する側ではなく、創造する側になりたくて三島独活農家になりました。
そして、かっこいい生き方ができる茨木市北部地域を残したくて
地域の活性化に取り組んでいます。」

この答えを今度こそ母が理解してくれることを願います(笑)

(2016.10.11)

※編集部より
中井さんが挑戦している“三島独活(うど)”についてはこちら
私たち夫婦は、三島うどに人生を懸けました


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