「さあ、やってみなっせ」農業の恩師が教えてくれたこと

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農家 広島県廿日市

「晩酌はやるもんにしかわからん、ぼた餅は喰ったもんにしかわからん、さあ、やってみなっせ、あぜ塗りを」

先日、農業の先生が、またひとり亡くなりました。福岡の糸島で自然農を教えてくれた松尾靖子さんのお父さんで、僕に鍬仕事や百姓の生きざまを教えてくれました。
葬式中にスライドショーで流れたのは、すべて伊勢神宮を参拝したときの写真でした。神事と農業がしっかりと結びついていたお父さんにとって、お伊勢さんの旅は、人生のご褒美みたいなものだったと思います。一年間の研修中に、何度もお伊勢さんの話を聞かされました。悔やまれるのは、宮島で農業をさせてもらっていて、一度もお父さんに来てもらわなかったことです。きっと、いつも野良着しか着てないお父さんは、スーツで正装して、厳島神社を参拝したでしょう。そんなことすらできなかった僕たちは、まだまだ全然です。
僕はお父さんの一番弟子です。そう言っている人は、他にもいるかもしれませんが。お父さんのおかげで今の僕たちがあります。百姓が続けられているのは、お父さんが僕を鍛えてくれたからです。ありがとうございました。
「さあ、やってみなっせ」さあ、また新たな一歩です。今日の農作業は、農園周りの草刈り。そして、整理整頓をやりやすくするために、板で塞いでいた納屋の窓にカーテンを取り付け、明かりを取り込めるようにすることです。

(2016.12.8)


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農家 広島県廿日市