秋の果実に投影する 僕の望む生き方

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農家, 畜産農家 福島県相馬市

山が赤く染まりだして秋になったかと思えば、今日は冬を感じるようなきつい寒さの一日になりました。

毎年この時期になると、厳しい東北の冬が来る前に農家ならどこの家でも庭先に柿を吊し、冬の間に食べる貴重な果物の準備をします。

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僕ら新米農家も例外ではなく、自分達が食べるのもそうですが、なにより子供たちに冬の間も果物を食べさせてあげたいと思い干し柿をつくります。

今現在柿の木は自分達の果樹畑に植えてはいますが、さすがに植えてから何年もかかるものなので、木が成長してくれるまでは近所のお婆さんの柿の木から柿をいただいています。

僕が子供の頃、冬になるとじいちゃんの後を追いかけて長い竹を手に柿をとり、とった柿はばあちゃんが干し柿にしてくれて毎日好きなだけ食べさせてくれました。

干してあるときはこんなに食べれるのかと思ったものでしたが、東北の長い冬にはそれが丁度良い量で、干し柿は僕ら田舎の子供たちには冬の風物詩であり、子供たちが美味しそうに食べてる顔を見てるのがじいちゃんもばあちゃんも好きそうでした。

あれから20年以上たち、今は僕が息子を連れて柿をとりに行き、妻がその柿を干して干し柿にしてくれます。

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今は自分が食べるよりも子供たちが食べてるところを見るのが楽しみで、自分もようやくあのときのじいちゃんとばあちゃんの気持ちがわかる歳になったんだなと感じます。

震災があり、原発問題があり、数年干し柿をつくったり子供たちに食べさせることがよくないと言われた時があったけれども、僕はこんな季節の風物詩が失われていくことが一番悲しい。

僕が小さい頃から見てきた風景、自然が魅せてくれる季節の色や味を、子供たちには同じように感じさせてあげたい。

こんな当たり前にあった田舎の日常を、ずっと繰り返すような山も谷も無いような生活が僕の望んだ生き方です。


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