そいつはゴミか宝石か?

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農家 大分県由布市

農業哲学
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蒲江まで行ってきました。

宮崎との県境に近いリアス式海岸の海の町です。

もちろんここは漁業の町です。ここで採れる副産物、というかゴミである養殖貝や養殖網に付着した貝や、浜に打ち上げられる海藻を肥料として利用できるのではってことで、見学させて頂きました。

県職員の方のアイデアで、大分オーガニックマーケットにてサンプル配布から始まったプロジェクト?です。僕の地元は同じく海の町、津久見。そんなこともあり、前々から海の資材については興味ありました。

やっとスケジュールが合い、蒲江へ!残念ながら雨のドライブ。

有機農で使う肥料は、原料はほとんど廃棄物です。

窒素分の比較的多い、米ぬか、大豆粕、フスマ、粒のサイズが小さかったりで食用に回されない米・豆・トウモロコシなど穀物類、廃棄される魚、家畜、畜糞、食品ロスや残渣。窒素分の少ない落ち葉、剪定くず、こないだ紹介した刈草、もみ殻、おが屑、木の皮。

ありとあらゆる田舎のゴミを集め回ってます。

地域性ある変化球で、湯布院辻馬車のウンコなんかも頂いてました。もらえるものはもらっとけ精神を日々鍛えてます。

でも、そもそもそれらはゴミではなく資源であったはずです。

近代的な農業は、土壌分析に基いて必要な要素を必要な量だけ供給する、とても効率の良い体系が出来上がっています。化学的に作られた肥料は品質のブレがなく無駄を省いてくれています。と、いうことになっています。

そうなると、これまで畑に投入されてた資源は、産業廃棄物に格下げされます。

蒲江でも養殖網に付着した貝や海藻が空き地に積み上げられていました。腐敗して悪臭を放ち、富栄養化した海は赤潮などの原因になります。漁師さんたちの環境への意識は高く、なんとかしたいという思いがあったそうです。

「地域資源とは宝石の原石のようなもの。地域の人が磨いて、宝石という資源になる」

こないだラジオで聞いた話です。すごく納得の言葉でした。

転がってる原石を発見し、誰かが磨いて宝石に変える。魅力が伝わるようになればみんな真似して、産業が産まれます。

有機農業はゴミと言われているものが実は資源だってことを証明できる仕事なんです。

蒲江と庄内、高速使っても片道2時間。新たな冬の仕事ができました。

海と畑、お互いが発展できる仕組みができればいいなと思いました。

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農業と共通点の多い養殖。

ヒオウギ貝は県南の海のお土産として定着した二枚貝です。

沖の養殖イカダに吊るした網に貝が入っているのだけど、これをメンテナンスのために作業場に持って帰ってきます。写真のように表面に別の貝、海藻、海綿などが付着してるのを金属の電動ブラシでこそぎ落とします。

畑作業の雑草取りと同じとのこと。貝はブランクトンなどを食べるのだけど、その周りに競合する別の貝たちがいるとエサの取り合いになります。

単一品目の収量を無理して追い続けると、どこかでつまずく。それも畑と海の共通点。県職員という立場上、たぶんギリギリのところを攻めてる宮村さんのお話も楽しかったです。

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まさにこれが欲しかった!!

浜に打ち上げられた、ただの海藻。もちろんタダ。

ミネラル分豊富で、分解も早い。乾燥しやすく保存も楽。要するに乾燥ワカメと同じなわけで。最強の資材になりそうな予感。

(2016.5.26)


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